中国の「空中発電所」に迫る ホバリングする「飛行船」で風力発電
湖南省岳陽市の飛行船格納庫内で、独特の外観を持ち、ビル13階分ほどの高さがある「空中発電所」が静かにホバリングしている。流線型のボディは優雅な「巨大クジラ」を思わせる。中国新聞網が伝えた。
これは、中国の革新的なテクノロジー企業「臨一雲川エネルギー技術有限公司」(以下、「臨一雲川」)が独自開発した、都市環境に適応した世界初のメガワット級空中浮遊式風力発電システム「S2000」だ。このシステムは先日、海外の技術系コミュニティやエネルギー分野で大きな話題を呼んだ。記者は現地取材を行い、この「空中発電所」がどのようにホバリングや効率的な風力発電を実現しているのかなど、注目される点を解き明かした。

1月20日、湖南省岳陽市の飛行船格納庫内にある世界初のメガワット級空中浮遊式風力発電システム「S2000」。撮影・劉曼
臨一雲川の共同創業者兼最高技術責任者(CTO)の翁翰釧氏は、「空に浮かぶ『モバイルバッテリー』のようなものだと考えるとよい。このシステムは、軽量の浮遊カプセル、効率的なダクテッドファン、スマート係留ケーブル、地上制御ステーションで構成。カプセル内にはヘリウムガスが充填されており、1万4000立方メートルのヘリウムが約14トンの浮力を生み出す。システム全体の重量は約11トンなので、浮力だけで『飛行する』ことが可能。メインカプセル内には温度変化に応じて内部圧力のバランスを維持するための自動調節式エアバッグが2基設置されている」と説明。
翁氏によると、「S2000」は、従来の風力発電と同様に、風力によってブレードを回転させて発電するが、発電設備が地上ではなく空中にある点が異なる。高空ほど風力資源が豊富で、風速も速く、安定性も高いため、発電効率がそれに応じて向上する。風はシステムのダクト構造を通過する際に加速し、発電機を回転させる。生み出された電力はケーブルを通じて地上へ送られ、コンバータを経て送電網に接続される。フル稼働時には、1時間当たり1000キロワット時(kWh)の発電が可能だ。
発電以外にも、通信基地局や環境監視機器などを搭載でき、低空経済(低空域飛行活動による経済形態)における多機能プラットフォームとなる。発電主体が空中に浮いているため、地上への影響が小さく、電力需要の大きい都市部に近接して配置でき、送電ロスを減らすことができる。また、災害救助などの場面でも迅速に展開し、電力支援を行うことが可能だ。
翁氏によれば、同社は大型特殊空中浮遊体の空気力学及び構造設計において技術的ブレイクスルーを遂げ、その特殊な空気力学と形状においてすでに複数の特許を取得。発電システムでは高出力密度化と中電圧直流送電技術を実現し、軽量化を維持しつつ送電効率を高めた。
現在、このシステムはすでに商用化されており、コストは従来の風力発電に近い水準に迫っている。翁氏は、「今後より高出力で、より多様なシーンに対応するシリーズ製品を打ち出し、量産化によってさらにコストを下げていく予定だ」と明らかにした。(編集NA)
「人民網日本語版」2026年1月26日
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