貴州省の新業態「洞窟経済」 カフェやパドルボードなどが人気に

人民網日本語版 2026年05月07日16:32

今年のメーデー5連休の初日に、貴州省貴陽市修文県にある洞窟カフェ「山由XIU」でくつろぐ観光客(5月1日撮影・周芷若)。

今年のメーデー5連休の初日に、貴州省貴陽市修文県にある洞窟カフェ「山由XIU」でくつろぐ観光客(5月1日撮影・周芷若)。

貴州省は中国全土で唯一平原がない省で、長い時を経て地殻変動によって形成されたカルストの洞窟は、これまでは山野に潜む秘境スポットだった。ここ数年は、洞窟や天坑(カルスト地形に見られる巨大な穴)のある峡谷を活用した新業態「洞窟経済」の人気が続き、洞窟内でのスタンドアップパドルボード(SUP)体験、洞窟ミニ探検、「地の中心カフェ」などは、人々が貴州を訪れる新たな目的になっている。新華社が伝えた。

こうした文化観光の新しい楽しみ方の背後には、貴州の山奥の洞窟で起業の根を張るために努力してきた若者たちの姿がある。

昨年夏、彭偉さんは元同級生数人と同省貴陽市修文県の郊外にある洞窟でカフェをオープンし、繁忙期には1日で300杯を超えるコーヒーを売った。そして昨年8月から現在までに4万杯を超えるコーヒーを売ったという。

同省安順市の紫雲苗(ミャオ)族布依(プイ)族自治県猫営鎮黄鶴営村と壩羊鎮四聯村との境界付近には、全長が2.5キロメートルに達する貫通型で、自然のままの地下河川を擁する洞窟があり、「黄鶴営洞」と呼ばれている。水質が非常にクリアで、パドルボードを楽しむスポットとして人気を集め続けている。

山西省出身の寧傑さんは観光プロジェクトのマネージャーとして、今年のメーデー5連休(5月1~5日)の初日には朝から晩まで洞窟から一歩も離れることなく、案内した観光客が全員帰ったのは夜の10時ごろだったという。

寧さんは、「現地の村人が観光グループを案内して1日に2回洞窟に入ると、400元(1元は約22.9円)の稼ぎになり、観光のオフシーズンには農作業もできる。第1陣となった観光客案内リーダー養成講座には村人40人あまりが申し込み、これまでに30人以上がテストに合格した」とする。

陳関迪さんは昨年末に故郷の安順市普定県に戻り、主要責任者として蓮花古洞の洞窟をはじめとする周辺山間地帯でのアウトドア探検公園プロジェクトの開発に携わった。

蓮花古洞の開発プロジェクトでは岩山を上る「ヴィアフェラータ」コースが新たに設けられた。固定されたロープなどを利用して断崖絶壁の岩山を登るというもので、足下には数十メートルの深淵が広がり、上を見れば天に向かってそびえ立つような岩壁が続く。

陳さんとそのチームはこの半年間、ほぼ毎日洞窟に行き、まず危険な石や汚泥を取り除き、それからルートの設計に取りかかった。洞窟の入り口から舗装された道までは数百メートルの山道を歩かなければならず、総重量500キログラムに及ぶ建築資材や汚泥をすべてドローンで運んだという。

「洞窟を保護しながら開発するのに参考となるモデルケースがなく、人工知能(AI)も答えられないたくさんの問題の答えをゼロから探し、一歩ずつ試しては、一歩ずつ改良してきた」と話す陳さんは、常に楽観的な態度で自信をみなぎらせている。

洞窟に足を踏み入れ、黙々と働く若者たちは、大仰な理屈を語ることなく、コーヒーをもっと美味しくするにはどうするか、開発と保護の境界線をどう見極めるか、地元の村人がプロジェクトに参加し、収入を増やして豊かになるにはどうすればよいかといった具体的な問題を1つ1つ解決している。

こうした若者たちの物語は今、貴州省の山中で少しずつ紡がれている。(編集KS)

「人民網日本語版」2026年5月7日

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