人気沸騰中のAIを大学で専攻するのが得策?専門家「基礎学科がより重要に」

人民網日本語版 2026年06月30日13:32

今年の中国大学統一入学試験(通称「高考」)の成績が現在、各地で発表されており、受験生は志望校を選んで手続きを行う段階へと突入している。人工知能(AI)がブームとなっているため、AI関連の学科を優先的に選ぶのが得策なのだろうか?基礎学科を学ぶ価値はないのだろうか?

湖南大学教育科学研究院の韋驊峰准教授は、「受験生は、自分の好きなことや得意なこととキャリアプランなどを考えて、学科を合理的に選択するのが良いだろう。むやみに、『人気の学科』にこだわってはならない。一部のAI関連の学科は、数学や物理、コンピューターといった基礎に対する要求が高く、相応の基礎や知識が不足し、興味もあまりないのに安易に選択すると、入学後のプレッシャーが大きくなる可能性がある」と強調する。

AI時代でも基礎学科が重要なのはなぜ?

「AIがブームとなっているため、受験生は関連する学科を必ず選択しなければならないのだろうか?」という疑問に対して、同済大学・学部生院の院長である尹学鋒教授は、「今後の社会は、AIの専門家だけが生き残れる世界ではなく、『AI+X』の複合型人材が大量に必要となる。例えばAI+医学、AI+建築、AI+法律、AI+アートなどの分野だ」との見方を示す。

そのため、尹教授は、「志望校を選ぶ際、『狭き門』である『AI学科』を無理に選ぶ必要はない。コンピューターサイエンスやソフトウェア工学、データサイエンスなどは、もちろん優れた専攻であると言えるが、数学、物理、生物学、哲学、社会学なども同様に重要だ。責任感あるAIシステムを設計できるエンジニアは、数学のロジックを理解し、倫理の境界を見極め、人の感情を理解できなければならない。これらのリテラシーを身に着けるためには、往往にして、しっかりとした基礎学科の知識や広い人的・文科的視野が必要となる」と指摘する。

それでも、「AIが効率よくコーディングし、設計を展開し、科学研究のパラダイムを変えることができるようになっているのに、数学や物理、化学、生物といった基礎学科に将来性はあるのか?」と考える人も依然としている。

北京理工大学教育学院の院長である、中国高等教育学会・スマート教育研究分会の嵩天秘書長は、「AIが進化すればするほど、基礎学科は重要になる」との見方を示す。

そして、「基礎学科は、AIが自律的に生み出せない『湧き水の源』だ。数学や物理、認知科学といった基礎学科の根本レベルでのブレイクスルーが今後、次世代の『説明可能なAI』やコンピューティングのボトルネックを打破する重要なカギとなる可能性がある。工学テクノロジーは『どうやってやるか』という問題を解決することができる一方、基礎学科は『なぜそうするのか』や『どうすればできるのか』といった問題の答えを探究している」と指摘する。

嵩秘書長は、「スマート時代において、応用シーンは千差万別であるものの、基礎学科の根本的なロジックはいつの時代であっても安定している。根本的な確定性を通して、将来の不確定性を見定めるというのが、今の時代において、最も賢い道であるのかもしれない」とし、「受験生が志望学科を選んだり、将来に何かを選択したりする際、基礎学科を二の次にするのではなく、長期的な視野に立った場合、基礎をしっかりと固めることができる戦略的投資だ」と強調している。(編集KN)

「人民網日本語版」2026年6月30日

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