中国の気象AIが新たなスピードを実現――技術的ブレイクスルー、世界に恩恵
中国気象科学研究院人工知能(AI)気象応用研究所の王亜強所長はこのほど取材に対し、「以前は数時間かかっていた計算が、今では数分で終わる。AI気象予報モデルはデータ駆動型だ。過去のデータを通じて現在の状態から将来の状態への対応関係を学習することで、予報の効率を大幅に高めている」と語る。中国新聞社が伝えた。
今夏、世界各地で異常気象が相次いで過去の記録を更新する中、中国のAI気象予報モデルは防災・減災に新たな解決策を提供している。
ロイター通信は8月11日付の上海発の報道で、「新世代のAI気象予報モデルが従来の予報システムと並行して機能し、気象予報能力向上をめぐる競争において、中国がリーダー的存在となっていることを十分に示している」と評価している。
世界的なAI気象予報モデルの競争において、中国の取り組みは遅れていなかった。近年、米エヌビディアは気象予報モデル「FourCastNet」を開発し、華為(ファーウェイ)クラウドは気象予報モデル「盤古」を発表した。「盤古」は2023年に英科学誌「ネイチャー」に掲載され、精度と速度の面で従来の数値予報手法を上回ると評価された。
その後も中国では関連研究開発が継続的に進められている。現在までに、中国気象局は、分単位の短時間予報から季節予報までをカバーするAI気象予報モデル群を構築している。これには、短時間・直近予報向けの「風雷」、中短期予報向けの「風清」、次季節から季節予測向けの「風順」、観測データに基づいて直接グローバル気象予報を行う「風源」、宇宙天気予報向けの「風宇」、さらに一般市民や産業向けの気象サービスを提供する大規模言語モデル「風和」が含まれる。
現在、複数の研究開発成果が実際の業務に導入されている。ロイター通信が注目したのは、中国のAI気象予報モデルが台風13号「白海豚(バイハイトゥン)」の予測で効果を発揮した事例だった。
王氏は、「従来の数値予報モデルと比べ、AIモデルは計算速度に明らかな優位性があり、大規模な気象状況を把握することを得意としているため、台風の進路予報の誤差も小さくなることが多い」と説明。
人類共通の気候危機に対応するには、地政学的な境界や障壁を越えた公共財が必要となる。こうした背景の下、中国の気象AIは、中国の気象AI早期警戒ソリューション「媽祖(MAZU)」に搭載され、海外へと展開されている。
中国気象局公共気象サービスセンターの朱小祥センター長は、「『媽祖』は私たちの早期警戒能力を、他国が費用面でも利用面でも導入しやすい一つのソリューションにまとめたものだ。『媽祖』は『風清』『風順』などのAI気象予報モデルを統合し、『風雲』気象衛星のグローバル観測能力を活用して、クラウド方式で利用者に気象災害の早期警戒サービスを提供している」と説明。
2025年7月の発表以来、「媽祖」はパキスタン、エチオピア、ソロモン諸島、ヨルダンなど複数の国で導入されている。
王氏は、「『媽祖』が好評を博している最大の理由は、導入のハードルを真に引き下げたことにある。数値予報モデルには長期にわたる科学的蓄積、技術の深掘り、高性能コンピューティング資源が必要だ。一方、AIモデルは一度訓練を完了すれば、高性能GPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)を搭載した1台のコンピューターでも動かすことができ、簡単な追加トレーニングで現地化運用ができるのだ」と話す。(編集YF)
「人民網日本語版」2026年9月1日
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