中国が高齢化に対応するための中長期計画を発表

人民網日本語版 2019年11月23日10:20

中国共産党中央委員会、国務院がこのほど発表した「国が人口の高齢化に積極的に対応するための中・長期計画」(以下「計画」)は、近い時期として2022年、中期として2035年、さらに長期として2050年までをめどにした積極的に人口の高齢化に対応するための戦略的、総合的、指導的文書で、5つの方面から人口の高齢化に対応するための具体的な業務、任務を制定している。

任務1 人口高齢化に対応するため社会の財産を今しっかりと貯める

「計画」は、総量の拡大、構造の最適化、効率の向上を通して、経済発展を人口の高齢化にうまくなじませなければならないとしている。そして、国民收入分配体系を整備し、政府、企業、住民の間の分配構造を最適化することで、高齢者支援のための資金を安定して増加させ、公平で持続可能な社会保障制度を健全化させ、国民全体の福祉水準を向上させるとしている。

【解説】中国国家発展改革委員会社会発展司の人口計画専門家・陸傑華氏は、「中国は現在、人口ボーナス期にあり、今後の高齢化に余裕を持って対応できるよう、財産を拡大させるそのチャンスを逃してはならない」と、パイをできるだけ大きくしておくことのほか、「国民收入分配体系において、社会の公平性が、高齢者と全ての人に及ぶというのが、社会主義の重要なメリットだ」と、パイをどのように配分するかも重要であると指摘する。

任務2 人口高齢化の背後にある労働力の供給問題を改善

「計画」は、新生児の質、新規労働力の質を向上させるほか、高齢になっても何かを学ぶことができる生涯学習体系を構築し、中国のヒューマンリソースの全体の質を向上させるとしている。ヒューマンリソースの開発・利用を推進し、さらに質が高く、十分な量の雇用を実現し、人口の高齢化に積極的に対応する十分の量でハイクオリティのヒューマンリソースを確保するとしている。

【解説】陸氏によると、世界の健康な高齢化の新理念によると、高齢化の対応というのは、ライフサイクル全体、全てのプロセス、全ての人々に関係がある。「60歳になってから初めて高齢問題について気付くものではない。健康問題は年齢と共に積み重なってくるものだ」。その他、「生涯学習」について、陸氏は、「世界保健機関(WHO)が提唱する健康な高齢化の中でも、生涯学習の構築と維持は重要事項となっている」と説明する。

任務が言及している「労働力の質向上」について、陸氏は、「中国の経済発展スタイルの転換と密接な関係がある。中国が今後、経済の質を向上させるためには、ハイレベル人材、質の高い雇用機会が必ず必要となる。発展途上国の多くは、高齢化に対応する際、この分野を考慮に入れておらず、中国が長い目で見ている分野でもある」と説明する。

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング