飛行機で種を撒き、砂漠を緑地に変える奇跡を起こした中国空軍の兵士たち

人民網日本語版 2021年02月07日16:37

中国の人民空軍のある運輸・捜索・救難部隊には、空から樹木の種を撒く兵士のチームが存在する。この39年の間に、累計で1万トン以上の種が内蒙古(内モンゴル)自治区や四川省、貴州省、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区など中国の西部地域7省(区)の130県(市)以上で撒かれた。種が撒かれたエリアは300ヶ所以上で、その作業面積は約173.33万ヘクタールに及び、流砂を食い止め、木の生えない荒れ果てた山に緑の木々が茂るようになっている。これらは、まさに人類の砂漠化防止対策史上の「奇跡」と言える。中央テレビニュースが報じた。

酷暑、荒れた山、砂嵐など劣悪な条件下での種まき作業

1983年、飛行機で種を撒く作業を始めたばかりの頃、このチームは、陝西省■林市(■は木へんに輸のつくり)の毛烏素砂地(ムウス砂漠)の砂漠化防止ミッションを要請された。作業を行う地域のほとんどは、木の生えていない山や荒野、ゴビ砂漠などで、突然の砂嵐に襲われることもたびたびあった。同ミッションに携わった第一期の兵士たちは、西部地域の現場で、朝起床すると顔も口の中も砂だらけという生活を送っていた。

1年の中で、空から種を撒くのに適した季節は主に5‐7月、気温が50度以上になる過酷な環境下で、兵士は1日十数時間も飛行した。体力の限界に挑戦しながら、雨季が到来する前に、種を大地に撒き続けた。

種一粒一粒が発芽しやすい場所に落ちるように、種を撒く作業を進めるには、超低空飛行をしなければならない。さらに、飛行するのは砂丘や谷間などで、操縦士は常にその地形に沿って高度を調整しながら飛行しなければならない。

中国が自主研究開発した初代輸送機Y-5は、飛行が安定していて、運航コストも安く、低空飛行に非常に適した性能を備えているほか、きちんと整備されていないような滑走路でも離着陸が可能。

こうした起伏の激しい地形を飛行するため、輸送機を操縦する兵士たちは厳しい訓練を重ね、ミッション遂行時も、幾度となく危険な状況を乗り越えてきた。

36年で休暇は2度だけ 砂漠が緑に変化する景色が最大の原動力

輸送機を操縦する兵士は、かつては戦闘機で大空を飛び回ることを夢見てきた兵士たちだ。しかし卒業後、中国西部地域に派遣され、輸送機を操縦して種を撒いて造林作業をしている。では、そのミッション遂行を続ける原動力となっているものは何なのだろうか?

飛行機を操縦して種を撒くベテラン操縦士の張建剛さんは、36年間で休みを取ったことはわずか2回だけだとし、「砂漠にきたばかりの時は、飛行学院の教師に輸送機を使って種を撒くミッションを受けたと言いたくなかった。当時は、果てしなく続く砂漠を見て、『撒いた種が本当に芽を出して、育つのだろうか』と疑問に思った」と振り返る。

しかし、2-3年後に、種を撒いたエリアを再び飛行したところ、砂漠の表面が緑に覆われており、その光景を目にしてとても驚き、言葉にできないほどの感動を覚えたという。種一粒一粒は、砂漠にとって希望であり、希望を撒き続けることが、張さんがこのミッションをずっと続ける最大の原動力となってきたという。

張さんが2020年に定年退職した後、彼の恩師は電話で、「過酷な環境の中国西北地域で、定年までミッションを遂行し続けるとは思ってもみなかった。私の教え子の中で、一番自慢の教え子だ」と称賛したという。

砂漠がオアシスに 39年間かけて奇跡起こす

2020年、陝西省の地図から「毛烏素砂地」は消えつつある。その奇跡の背後で、空軍の兵士たちが黙々と種まきのミッションを遂行してきた。

1983年から2014年までの32年間、■林市内の約57.33万ヘクタールで流砂が食い止められ、陝西省の緑地が北に400キロ拡大し、植被率は1.5%から45.2%まで上昇した。

内モンゴル阿拉善(アルシャー)盟はかつてはその砂漠化が深刻で、国際的な専門家は空から種を撒くには適していないと指摘していた。しかし、兵士らは39年間かけて造林し、その面積は約39.4万ヘクタールに達し、植被率は約5%から今では50.4%にまで上昇した。

長年にわたり、歴代の兵士たちがその青春を、内モンゴルの奥地・騰格里(トングリ)砂漠から貴州省黔南地域の崇山峻嶺、■林市の種まきエリアから格爾木(ゴルムド)草原、川西高原から寧夏回族自治区賀蘭県の砂丘・ゴビ砂漠まで、汗水たらして砂漠化と戦うために費やしてきた。

彼らは中国の最も初期の輸送機を操縦して、荒れ果てた荒野や砂漠を緑豊かな肥沃な土地に変えるという、最も価値ある事業を行ってきた。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年2月7日

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