東京五輪・パラ 海外からの観客受け入れ断念の舞台裏は?

人民網日本語版 2021年03月23日11:27

日本政府、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会、東京都は20日、国際オリンピック委員会(IOC)、国際パラリンピック委員会(IPC)と共同で声明を発表し、海外在住の人は今年夏に日本への入国を認めないとし、五輪・パラの観客受け入れ断念を表明した。すでにチケットを購入した海外の100万人近くの人にとっては残念なニュースだが、五輪・パラにとっては安全保障措置をさらに強化したことにほかならない。新華社が伝えた。

昨年11月、IOCのバッハ会長は日本を訪れ、日本の各方面との間で、「合理的な数」の観客は受け入れ、会場で競技を見られるようにすることで共通認識に達し、海外からの観客受け入れに楽観的な態度を示していた。その頃、日本の新型コロナウイルス感染症の状況は安定していたが、その後、日本が打ち出した経済活性化措置によって日本では観光消費がリベンジ的に増加し、人の移動が多くなるにつれ、感染状況が急速に悪化し、菅政権は今年2月、東京都を含む各地の緊急事態宣言を発出せざるを得なくなり、一度打ち出した海外からの入国制限の緩和もすべて取り消した。この苦い教訓が、海外からの観客受け入れを断念することになった直接的な誘因だといえるだろう。

日本の感染状況は依然として非常に厳しく、東京都では17日に確認された患者が400人を超え、緊急事態宣言を解除された地域にもリバウンドの兆しが見られる。そこで日本政府は21日に緊急事態宣言の全面解除に踏み切った後も、「外国人の新たな入国の許可を全面的に一時停止する」管理措置を続け、1日あたりの入国者の上限を2千人にするとしている。

五輪関係者と選手の入国については、例外として特別措置が取られる見込みだ。4月初めには、テストイベントが再開するからだ。日本側はすべての参加者に対し詳細な防疫の手引きを作成し、入国時の検査だけでなく、すべての人がほぼ「真空状態」で行動し、各地の人々との接触を避けることを原則として規定した。五輪・パラに参加する選手は約1万5400人で、世界の200を超える国と地域からやって来る。また世界各地から記者、審判、政府関係者、スポンサーなどもやって来るので、合わせて数万人になる。開催国・日本はこの数万人のために防疫の手引きを作成するだけで3ヶ月以上かかっており、100万人に迫る海外からの観客を受けれる能力は全くない。

昨年1年間、日本国民は五輪・パラに対し終始比較的消極的な態度を示してきた。世論調査によると、今年初めの感染症第三波が最も深刻だった時期には、80%超の日本人が「五輪・パラは中止か再延期がいい」としていた。「読売新聞」が3月初めに行なった世論調査でも、中止・延期は6割に迫った。消極的であることの重要な原因は、海外から大勢の観光客が入国することで感染症の状況が悪化するリスクが増大することへの懸念だ。今年下半期には、日本で与党・自民党の総裁選と衆議院選挙が行なわれる。再選を狙う菅義偉首相の政権は、選挙を有利に運ぶため、「鎖国状態」を続けるしかないのが現状だ。

東京五輪・パラは元々は海外からの観光客を極めて重視していた。日本各界の共通認識は、東京五輪・パラは日本が2011年に起きた東日本大震災から再建し復興する姿を世界に示す機会になるはずだった。日本企業も複数の分野における技術高度化を通じて日本のイノベーションを世界に見せたいと思っていた。同時に、日本の市場も五輪・パラ期間に200万人の観光客を受け入れることを期待し、19年の消費税率引き上げで打撃を受けた日本経済を活性化できると期待していた。こうした壮大な計画は今や実現不可能になった。

海外からの観客の入国は禁止するが、東京五輪・パラは無観客で行なわれるわけではない。日本側とIOCは4月末に日本在住の観客の受入数を決定するとしている。海外からの観客の問題と同じく、決定権は日本政府にある。3月25日に始まる聖火リレーが日本側にとって重要な参考になるだろう。リレーを実施しても感染者が大幅に増加しなければ、国内の観客受け入れにより楽観的になれる。

五輪・パラ開催のために、日本はすでに約120億ドル(約1兆3050億円)を投入しており、海外からの観客受け入れ断念による損失は受け入れた場合のリスクと比較すれば、すでに無視できるほどのものになっている。バッハ会長と日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕代表はいずれも、五輪・パラを無観客で行なっても受け入れられるとの見方を示してきた。テレビ中継さえ行なわれれば、IOCと日本側は損失を最小限に食い止めることができ、これは関係各方面にも受け入れ可能な最低のラインとなる。これまでもっぱらテレビ画面で五輪・パラを観戦していた世界中の多くの人にとっては、かえって「公平感」が増大する機会なのかもしれない。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年3月23日

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