1日に最多280人が応募した「パンダ飼育員」の採用がゼロだった理由は? (2)

人民網日本語版 2023年04月07日13:30

李さんは、「昼夜の関わりなく、パンダは1時間食べたり、遊んだりして、また2時間寝るというのを何度も繰り返す。食っちゃ寝を繰り返すダラダラした生活は、本当に羨ましい。でも、それが理由で飼育員の仕事はハードになり、夜でも、当直が一人必要。夜でも、飼育員は数時間おきに起きて、巡回し、パンダの状態をチェックしなければならない。もし、竹がなくなっていると、すぐに補充しなければならない。パンダは目が悪く、人間の視力でいうと0.6ほど。でも、臭覚が非常に鋭く、夜にお腹が空いたときは、電気がついていなくても竹を見つけて食べることができる」と笑顔で話す。

またバランスの取れたエサを与え、栄養をしっかり摂取させるため、飼育員は決まった時間に、決まった量のきれいに洗ったリンゴやニンジン、「特製の蒸しパン」を与えている。

その黄褐色の特製の蒸しパンは、飼育員が毎日自分たちで作っている。レシピは米粉、トウモロコシ粉、きな粉、白糖、塩。それらを混ぜて練り、途中で卵をいくつか入れ、4時間かけて蒸すという。添加物などは入っておらず、とてもヘルシーなため、李さんは「愛の詰まった蒸しパン」と呼んでいる。

資料写真

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「私も味見したことがあるが、蒸しパンは固めで、あっさりとしていて、なかなかおいしい。竹が主食であるものの、飼育下のパンダはこの蒸しパンも大好き。毎朝10時と午後2時、5時に、カット済みの300-400グラムの蒸しパンを口元まで運んで与えている」のだという。

そして、「パンダ1頭に与える蒸しパンの量は1日1200グラムまでに抑え、しっかり管理している。パンダは蒸しパンが大好きであるものの、食べすぎは厳禁。やはり竹をメインにしなければならない」という。

数百人の応募あるも、採用はゼロ?

糞尿を処理し、消毒し、タケノコを掘り、蒸しパンを作り、竹を運び、夜は一人でパンダの世話をするパンダ飼育員の仕事は実にハードだ。

先月末、李さんのある同僚が体調を崩して退職することになったため、南山竹海景勝地は新たな飼育員を募集した。ただ彼らを驚かせたのは、数年前と異なり、ほとんど知られていなかったこのポストに応募が殺到し、一番多い日で280通もの履歴書が送られてきたことだった。

ただ、応募が殺到したにもかかわらず、なぜか採用者はゼロだったことが、ネットユーザーの間で話題となり、「高嶺の花のポストはなんとパンダ飼育員」といったコメントが寄せられたほどだった。

この件について、「事情を知る関係者」である李さんは、「この仕事のハードルが高すぎるというわけではない。牧畜や農業学校の関連する学科で学んでさえいれば、パンダを飼育する上で必要となる専門的なスキルについては働き始めてから、飼育チームの中ですぐにマスターすることができる。関連した飼育業務の経験者なら、学歴に対する要求がさらに低くなる」と笑顔で説明した。

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「履歴書を送って来た若者数人と連絡を取ってみた。しかし彼らは仕事の詳細を知ると、迷った挙句、皆あきらめてしまった。特に女性は、景勝地の山にある小さな木の小屋で、夜に一人で当直しなければならないと聞くと、ほとんどが尻込みしてしまう」という。

その上、パンダ飼育員の月給は5000元(1元は約19.1円)と、決して高いとは言えない上、年間通じて週休は1日。法定の祝祭日も出勤しなければならないだけでなく、そのような日は普段よりも忙しくなる。

「パンダの世話ができる」と思って衝動的に履歴書を送ったものの、現状を知って「熱が冷め」てしまう人がほとんどで、実際にその仕事を始める人は少数なのだという。

一方、これまで「パンダ飼育員」一筋で頑張ってきた李さんは、「私の実家は500キロ離れた江蘇省徐州市にある。でも、ここに来てパンダの世話ができることはとても幸せなこと。ここは空気がきれいだし、パンダもかわいい。2年前には、生まれ故郷にいた祖母もここに引っ越してきて、暮らすようになった。私自身も近くの天目湖鎮に家を買い、この地に定住する計画」と話す。

そして志を同じくする仲間というものは必ずいるものだ。李さんは取材に対して、「ようやく新しい飼育員が決まった。貴州省出身の男性で、牧畜・獣医関連を専攻していた新卒の大学生。もうすぐここに来て、専門的なトレーニングを受けることになっている」と説明した。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年4月7日

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