习专栏

ネットユーザーが1日で作り上げた「山河大学」とは?

人民網日本語版 2023年07月10日16:00

1日で「大学」を作り上げることはできるのだろうか?

ネット上で、「山河大学」と入力して検索すると、その答えは「できる」であることが分かるだろう。同大学は山東省と山西省、河南省、河北省の4省の境界地点にある「総合大学」で、ほぼ1日で作り上げられた。そしてネット上に寄せられているコメントのように、「午前中にアイデアが出され、正午にプランが完成し、午後には校章ができ、夜に寮ができた」という。

校訓や新入生募集要項、校歌、公式サイト、学院の枠組みなど、大学関連で思いつく内容は全て揃っている。唯一普通の大学と異なるのは、それはサイバースペースにしか存在しないという点だ。

今年6月27日、あるネットユーザーがSNSに動画を投稿し、「河南省と河北省、山東省、山西省の大学受験生343万4000人が、一人1千元(1元は約19.9円)を出し合えば300億円以上を集めることができ、総合大学を作ることができる。場所は4省の境界地点で、1年以内に清華大学と北京大学を超えることを目指す」と主張。大学経営に必要な各種経費を示す画像も添えた。

動画が投稿されると、ネット上で瞬く間に話題となり、ネットユーザーからは、「河南省は賛成」や「河北省も賛成。いつ完成するの?ちょっと急いでいるので」といったコメントが寄せられた。さらには場所選びを始めたり、学校の名称を考えたり、特技を生かして3D設計図を描き出したりする行動力あるネットユーザーも現れた。

中国大学統一入学試験(通称、「高考」)は毎年6月上旬に行われる中国の大学統一入学試験で、各省によって大学ランク別の合格ラインの点数が異なり、受験生は自分の本籍地の省でしか受験することができない。そのため、人口の多い省では自然と合格ラインの点数が高くなる傾向がある。

2020年に高考を受けた河南省出身の任陽賢さんは、「確かに同感できる。河南省は受験生が非常に多い省だから。自分の得点は601点(750点満点)で、河南省の理系のトップランク大学の合格ラインを57点超えていたが、陝西省西安市の『双一流』(世界一流大学・一流学科)対象ではない大学にしか入れなかった」とした。入学後、寮のクラスメイトと高考の得点について話していると、他の地域で高考を受けて、自分より約100点低い点だった人もいることを知って、とても驚いたという。2020年、河南省の理系のトップランク大学の合格ラインは544点だったが、同じ試験内容なのに、湖南省の理系のトップランク大学の合格ラインは507点、安徽省は515点だったという。「もし別の省に住んでいて高考を受けたら、もっといい大学に行けたかもしれないと思った。他の省の学生は自分たちよりプレッシャーが小さい。それが現実で、どうすることもできず、受け入れるしかない」と話す。

今年、河南省と河北省、山東省、山西省4省の「高考」の受験生の数は、中国全土の受験生の約4分の1を占める数だった。4省は人口が多く、受験生も多いにもかかわらず、4省にある「双一流」対象の学校は8校しかない。なかでも河南省と河北省、山西省に至っては、人口が合わせて約2億人にも達するが、中国政府が重点的に建設を進める「985プロジェクト」の指定校は1校もない。

今回立ち上げられた「山河大学」は、ネットユーザーが自発的にそのデザインに参加しており、校章が何種類もあったり、校歌が何曲もあったりする。それにも関わらず、新入生募集の宣伝文句に書かれているように、ネットユーザーが目指すところは同じで、「不公平に悩まされている4省の学生を救い、みんなが大学に通えるようにする」ことだ。

ニュースサイト「紅網」の記事は、「ネットユーザーは、この盛り上がりを楽しんでいるが、私たちはその背後にある現実の問題を無視してはならない」と指摘し、「山河大学」がネット上で大きな話題となっている背後にあるネットユーザーの気持ちについて、「山東省と山西省、河南省、河北省は、教育資源が不足し、『高考』を受ける学生のプレッシャーが大きいというのが共通の特徴となっている。『山河大学』をネタに遊んでいるだけに見えるが、実際には、この4省の学生たちの高等教育に対する渇望が反映されている」としている。

また、「教育資源の分配は、中国は地域によって発展の水準がまちまちであるということと、ある程度関係がある。教育資源の分配問題は、簡単なことではなく、政府や社会の各界が共に努力しなければ解決できないことを心に留めなければならない」と指摘している。

今月6日、教育部の呉岩・副部長は記者会見で「山河大学」に関する問題について、「高等教育が普及したという新たな段階を迎え、地域の経済と社会の発展にサービスを提供しなければならないという新たな課題と問題に直面している。教育部は今後、高等教育資源の配置・構造を継続的に最適化し、中・西部エリア、特に人口の多い省をサポートし、高等教育資源の規模を拡大させ、タイプ・地域の構造を最適化する」とした。

その他、「『山河大学』という大学を作って、多くの人は自嘲気味に自分の中でつじつま合わせをしている。そして、自分が満足できる自分の願い通りの大学を作って、社会で感じている重圧を和らげ、それが娯楽スペースにおいて作られた独特なストレス解消法となっている。それは、娯楽化された自己満足型のインターネット環境にもマッチしている」という声もある。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年7月10日

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