中国侵略日本軍「栄1644部隊」の細菌戦の証拠を公表した隊員遺族

人民網日本語版 2025年08月11日16:12

日本の国立公文書館は今年5月、竹上勝利氏と日本の細菌戦研究専門家で滋賀医科大学名誉教授の西山勝夫氏らの要請に応じ、中国侵略日本軍の栄1644部隊、波8604部隊、波8609部隊の「留守名簿」などの資料を初めて公開した。「留守名簿」は中国侵略日本軍の人事記録資料であり、当時の部隊隊員の氏名、生年月日、本籍地、兵科などの情報が含まれており、中国侵略日本軍部隊の研究における重要な基礎資料だ。人民日報が伝えた。

2017年、竹上氏は自宅の倉庫を改装中に、父親が遺した複数の写真集や資料を発見。それらには、中国侵略日本軍陸軍「防疫給水部隊」の中国華東・華中地域での活動の状況が記録されていた。日本軍は将兵に従軍の秘密を守るよう指示していたため、竹上氏の父親は生前、自身の中国での経験について語ることはなかった。調査の結果、竹上氏は、父親が1932年以降、衛生兵などとして3度中国に派遣され、1941年には栄1644部隊に転属していたことを突き止めた。

中国侵略日本軍は中国で幾度も細菌戦を行った。日本軍の細菌戦部隊には、悪名高い731部隊のほか、栄1644部隊もあった。公開資料によれば、この細菌戦部隊は人員構成や器材調達などの面で731部隊と関係があり、細菌兵器の開発や細菌戦剤の培養、人体実験を行い、731部隊と歩調を合わせて中国に対する細菌戦を実施した。その結果、浙江省や江西省などでコレラ、チフス、ペストといった悪性伝染病が大流行し、現地住民に甚大な被害をもたらした。

竹上氏は父親の栄1644部隊での活動を明らかにするため、福島県立医科大学医学部講師の末永恵子氏と連絡を取った。末永氏は長年にわたり、中国侵略日本軍による細菌戦実施などの歴史の研究に携わっており、竹上氏が栄1644部隊に関する重要資料を整理・保存していると知ると、それらの「動かぬ証拠」を公にするよう勧めた。末永氏は2024年7月、竹上氏の父親が記録した戦時日記や保存写真を収録した「帝国陸軍防疫給水部ビジュアル写真帖」を出版した。竹上氏は、日本の敗戦後に大量の資料が焼却されたため、細菌戦や人体実験に関する資料が残された例は非常に少なく、公開することには大きな意義があると述べ、栄1644部隊の真相が明らかになるには程遠く、関連資料は特に貴重だとした。

「日本による中国侵略戦争で犠牲となった中国の方々に深い哀悼の意を表する。今なお日本国内では、侵略の歴史を否認・美化する言動が度々見られる。罪は罪であり、反省すべきは反省しなければならない。日本政府は中国に対して誠意ある謝罪をすべきだ」。竹上氏は「生きている限り、悲劇の繰り返しを防ぐために、歴史の真実を世に明らかにし続けていく」と語った。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年8月11日

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