ジャッキー主演最新作、カンヌで配給会社募る　ファン・ビンビンも出席

　成龍（ジャッキー・チェン）の最新主演作にあたる中米合作映画「SKIP　TRACE」（中国語題：絶地逃亡）がこのほど、カンヌ国際映画祭でランチョン・パーティーを開いた。同映画は、昨年中国で約9億元（約149億4000万円）の興収を挙げた成龍主演・監督の映画「ライジング・ドラゴン」（原題：十二生肖）に続いて成龍が出演を決めた冒険アクション映画。今年9月にクランクインし、来年に公開する予定だ。映画の中で成龍が演じるのは、上からは停職を命じられ、外からはマフィアに狙われる運の悪い警察官で、香港から海外に舞台を移し、マフィアとの逃走劇を繰り広げる。「人民網」が伝えた。

　　■成龍に熱い抱擁をする范冰冰

    伯父と姪を演じる2人

　ランチョン・パーティーでは、主演の成龍とキャストの1人である范冰冰は対面後すぐに熱い抱擁を交わした。成龍は慌てたように「范冰冰が僕を無理やり抱いたんだからね」と強調し、会場の場を盛り上げた。

　映画「SKIP　TRACE」は「新宿インシデント」（中国語題：新宿事件／2009）に続く成龍と范冰冰の共演作だが、今回の2人の関係には大きな変化がみられ、范冰冰は成龍の美しい姪っ子を演じている。2人が映画の中でどのような関係を見せ、物語にどのように絡んでいくのか期待させられる。成龍が今回演じるのは、停職中のついていない警察官。借金取りに追われる人を守っているはずが、事態は思わぬ方向に進んでいく。

　■アカデミー賞長編アニメーション映画部門ノミネートのサム・フェルが監督

　ランチョン・パーティーには、世界各国の影響力のある配給会社が集まった。同映画の構想はジャッキー・チェン自身によるものだが、リラックスした雰囲気の中、各映画配給会社の代表は揃って同映画に期待を寄せ、「絶対に素晴らしい映画になるだろう」と口にした。同映画プロジェクトを立ち上げたエクスクルーシブ・メディア社のアレックス・ウォルトン国際配給・販売担当社長は自信たっぷりに「成龍のような役者を見つけるのは難しい。成龍はすでに世界中の観衆をひきつける力を証明しており、興行面でも何度も成功してきた。得意とするアクションコメディーのジャンルで再び成龍の姿を見れるのが非常に嬉しい」と語った。

　また、サム・フェル監督がメガホンを取ることが発表され、本人も同日、ランチョン・パーティーに出席した。サム・フェル監督は、「パラノーマンブライス・ホローの謎」（中国語題：通霊男孩諾曼）で2013年第85回アカデミー賞アニメーション映画部門にノミネートされ、プロデューサーを務めた「マウスタウンロディとリタの大冒険」（中国語題：衝走小老鼠）ではハリウッドスターのヒュー・ジャックマンやケイト・ウィンスレットと仕事をしている。ファンタジーを題材にした作品を得意とするサム・フェル監督は豊かな想像力を備えており、この冒険アクション映画でもより自由奔放なシーンやカメラワークが盛り込まれることが予測される。

　■冒険のテーマは中国と西洋の文化　中国でロケを行う予定

　成龍自身によるという「SKIP　TRACE」のストーリーと構想は、マフィアのボス、ヴィクター・ワンを追って十数年になる香港警察官バニー・ブルック（成龍）は、ヴィクターの犯罪の証拠を捜すうちに計略にはまり、自身の姪っ子（范冰冰）まで危険の渦に巻き込んでしまう。中国警察やヴィクター・ワン、ロシアのマフィアといった3人の敵に囲まれ絶体絶命の中、逃走劇を繰り広げるバニーは、同様に窮地に陥っているコーナル（ハリウッドの人気スターが演じる予定）、ヴィクター・ワンやロシアの殺し屋に追われている米国の賭博師をパートナーとする。3人はいったいどのようにしてこの複雑に錯綜した窮地から逃れ、この冒険を終らせることができるのだろうか？

　この物語の舞台は香港から始まり、澳門（マカオ）、シベリア、ニ連浩特（中国とモンゴルの辺境の街）、内蒙古（モンゴル）のゴビ砂漠、四川の山壁などの各地域の特色がはっきりとわかる地域が描かれている。バニーとコーナル2人の笑いや恐怖、カルチャーギャップにあふれた冒険に異国情緒たっぷりの壮大な風景が彩りを添える。投資会社の唐徳電影の任衣万・総経理は「この映画は異なる文化をつなぎ合わせた冒険を描いている。我々はエクスクルーシブ・メディア社をパートナーに、世界中を魅了する中米合作大作を製作するという冒険を始めることにとてもワクワクしている」と語った。（編集MZ）

　「人民網日本語版」2013年5月20日