国産粉ミルク 信頼再構築の道はなお険しい
中国乳製品工業協会はこのほど、国産粉ミルクの品質は輸入製品を上回るとする調査報告を発表した。これを受けて、国産粉ミルクの春が再びめぐってくるとの楽観的な見方を示す人がいる。
確かに、粉ミルクへのメラミン混入事件の後、国産粉ミルクの品質は目に見えて進歩した。客観的にいえば、中国人の輸入粉ミルク好きには盲信の傾向が強い。だが盲信といいつつ、多くの消費者は今はまだ国産粉ミルクの質が輸入製品を上回ると言うのは時期尚早だと考えている。市場での見方によると、乳児をもつ親たちは引き続きその行動で国産粉ミルクに対する不信任票を投じるという。
中国人はなぜ国産粉ミルクに対し様子見の態度を取るのだろうか。
それは何と言っても、同協会の根拠と動機に疑いの目が注がれているからだ。同協会は第三者機関に依託し、無作為にサンプルを抽出して検査を行い、その結果、国産ブランドの粉ミルク16製品はすべて国の基準に合格し、海外でパッケージされた輸入9製品は3製品が不合格だったとしている。だがこの検査には多くの疑問が寄せられている。第三者機関とはどこか。信頼できる機関なのか。意図的なサンプルの選択はなかったか。秘密は守られ、公正な検査だったか。……このような消費者が感心を寄せる問題について、同協会関連部門の責任者は、当協会は法律執行部門ではないので、対外的な発表にはなじまないとコメントするばかりだ。
同協会の態度がインターネットで叩かれている。ネット利用者からは、「国内乳製品企業から会費を集めている業界団体の同協会が、表だって国産粉ミルクの品質を『ヨイショ』する動機は何だ」、「利害関係から逃れられないはず」、「第三者機関による検査というなら、その第三者機関に検査の詳細を発表させるのは難しくないし、その方がよいはず」といった声が上がっている。