鐘建慧さんは米国生まれの中国系アメリカ人で、ウイルソン病をわずらっている。ウイルソン病は全称「肝レンズ核変性症」といい、遺伝性の銅代謝障害により肝硬変や脳の変性をもたらす疾病だ。発症者は少なく、世界での発病率は平均10万人あたり約3人だ。症状としては、神経症状と肝臓の症状が中心で、後期になると肝臓の合併症や手足の痙攣、会話や行動が困難になる、精神面での障害などが見られることもある。治療によって日常生活が送れるまで回復した患者も、一生涯、銅の少ない食生活を続け、投薬治療を続けなければならない。人民網が伝えた。
1971年生まれの鐘建慧さんは1992年、米国で大学に通っている時に発病し、ウイルソン病と診断された。米国で長年治療を受けたが効果がなく、2003年に鐘建慧さんの母親、宋麗芳さんがインターネットで中国・安徽中医薬大学神経病学研究所附属病院での治療に関する記述を見つけ、娘を連れて診察に訪れた。鐘さんたちが安徽省合肥を訪れて治療を始めてから今年で12年目になり、親子2人は毎年、合肥で3-5カ月入院して過ごす。長年にわたる治療により、鐘さんの病状はコントロールされ、やや改善している。諦めずに治療を続け、より多くの人にこの珍しい病気について知らせ、難病患者への理解を高めたいと鐘さんは語る。
2月28日は世界希少・難治性疾患の日だ。中国を含めた世界には生涯にわたる治療や巨額の治療費に直面する多くの難病患者が存在し、また社会的な認知の不足といった問題もある。(編集YH)
「人民網日本語版」2014年2月28日