「中日弁護士・旧日本軍遺棄毒ガス被害者の聞き取り調査」が28、29日に、黒竜江省哈爾濱(ハルビン)市にある「731遺跡陳列館」で行われ、中日双方の弁護士は毒ガス中毒事故の被害者らに聞き取り調査を実施した。中国新聞網が報じた。
聞き取り調査が29日午後に終了後記者会見が行われ、日本の南典男弁護士ら5人の弁護士が初めて取材に応じ、「日本政府は被害者と正しい態度で向き合うべき」との見方を示し、弁護士団は、「正義を堅持し、戦争の遺留物の被害者救済のために戦う」とした。
1982年に同省牡丹江市で、遺棄兵器から毒ガスが流出する事故が発生し、被害者は数百人に上った。その後、南弁護士ら約30人の弁護士は、これまで、被害者の訴訟をバックアップしてきた。
被害者の1人仲江さんは、20歳過ぎで事故に遭ってから、下痢、口の中の潰瘍、頭痛、全身神経痛、全身の経常性潰瘍などの病気に苦しむ日々を送っており、「事故で人生が変わった」と訴える。そして、取材に対して、「日本政府は何をしたか全く分かっておらず、責任を負うことを拒んでいる」と憤りをにじませた。
同省斉斉哈爾(チチハル)市で2003年8月に発生した遺棄兵器の毒ガス流出事故の被害者である明明さんの母親、陳淑霞さんも取材に対して、「明明は事故に遭ってから、両足が潰爛し、傷口が癒えることはない。発熱は日常茶飯事で、同級生からもいじめられ、友達は一人もいない。記憶力も低下し、精神的にも病んでしまったため、学業もあきらめた」と訴えた。
日本の弁護士団の団長である南弁護士は1992年より、旧日本軍が遺棄した化学兵器の被害者と共に、日本政府を相手に訴訟を起こしている。南弁護士は、「訴訟を通して、多くの日本人に、旧日本軍が当時中国を侵略した真実を知ってもらいたい。そして、日本政府が注意を向け、侵略の事実を認め、謝罪と賠償を行うよう働きかけたい」と語っている。(編集KN)
「人民網日本語版」2014年4月30日