中国国家観光局と日本の和歌山県新宮市は25日から26日にかけて、新宮市で中日観光文化交流活動を共同で実施。 中国の程永華駐日大使や日本の衆議院議員、日本全国旅行業協会(ANTA)の会長を務める二階俊博自民党総務会長、中国国家観光局東京駐在事務所の張西龍首席代表、新宮市の田岡実千年(みちとし)市長らが参加した。人民網が報じた。
紀伊半島南東部、太平洋沿岸に位置する新宮市は、中国とのゆかりが深く、中国の秦朝(紀元前3世紀頃)の方士・徐福をめぐる伝説が今に至るまで伝えられている。伝説では、約2000年前、秦の始皇帝の命を受けた徐福は、3000人の若い男女を従え、「不老不死の霊薬」を探す旅に出たところ、新宮市でそれを見つけた。その後、徐福は霊薬を持って中国に帰ることはせず、新宮市に定住。現地の人に、農耕や漁業に関する技術を伝えたとされている。新宮市には、中国の雰囲気漂う「徐福公園」があり、徐福の墓や徐福像などがある。
25日夜、新宮市で開催された「日中観光文化交流の集い」には、1000人近くの人が集まった。集いでは、中国の若者が、変臉、京劇、民族舞踊など中国の伝統演劇を披露した。
集いで講演を行った程大使は、「ここ数年、中日関係は困難に直面している。これは中国が目にしたくないものだ。中日両国は引越しできない隣国で、その関係が困難に直面した場合、解決策を探らなければならない。両国には2000年以上の交流の歴史があり、友好を続けていかなければならない」と述べたほか、「さまざまなルートを通じて、観光交流や若者の交流など、各種交流を開拓し、両国の国民が自らの体験を通して、相手国に対する理解を深められるようにしなければならない」と民間交流の重要性を訴えた。
一方、今年5月、観光文化交流のため、観光関連の業界関係者約3000人を引き連れ中国を訪問した二階総務会長は同集いの講演で、「今回の交流活動は、良い反響を得ている。過去の一時期に、日中関係は不安定になり、友好交流の効果があまりあがらなかった。この状況は一日も早く改善されなければならない。日中が互いに友好を確認し、両国の各界の人々は共同で日中関係を発展させるために努力し、両国の次の時代、世代に責任を果たさないといけない」と訴えた。
26日午前、程大使は二階総務会長らと共に、徐福公園を訪れ、徐福の石像の傍らで共同で記念の植樹を行った。(編集KN)
「人民網日本語版」2015年7月29日