1月24日0時11分、今年の春運(春節<旧正月>の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)の最初の列車となる3603号が北京駅から重慶北駅に向けて出発、厳しい寒さの中、北京の春運の幕が開いた。これに引き続くように全国の各省(自治区・直轄市)も正式に春運期間に突入した。人民日報海外版が伝えた。
2016年の春運は今月24日から3月3日までの計40日間。旅客輸送部門は全国の旅客輸送量は、前年同期比3.6%増の延べ29億1千万人に達すると予測している。この数字は年々増加の一途を辿っており、その年によって情況は異なるものの、年間を通して最大規模の周期的な人口移動は、さまざまな課題に直面しながら続いている。
〇春運の中心となった高速鉄道
新しい全国鉄道ダイヤが1月10日0時から施行され、毎日運行される旅客列車の総数は、3142往復に達した。このうち高速鉄道は1980.5往復で、全体の6割を上回り、今年の春運の中心となっている。
また、全国の交通輸送システムは、異なる輸送方式の連携を強化、輸送力の供給増に努めている。鉄道以外には、バスが1日あたり260万本運行し、その座席数は2189万5千席、船舶は2万隻以上が投入され、103万人を運ぶ。民用航空のフライト総数は52万便で、前年同期比7%増となっている。
〇帰省は一種の「信仰」
中国は1954年に初めて春節前後の1ヵ月という明確な「春運期間」を定めた。故郷を離れていた人々は、この期間中、風雪をものともせず、混雑極まる長い道のりをひたすら耐えて帰省する。
山東省曲阜の孔子研究院の楊朝明院長は「人々の生活様式が変わるにつれ、春節の風習も次第に変化しつつある。だが、この特殊な祝日が担う価値観は、そのまま代々受け継がれている。伝統的祝日である春節は「孝行の道」と「調和」という考えを最も明確に体現している」と話した。
中国以外でも、東アジア文化圏全体で祝日には帰省するという風習がある。韓国では、旧正月前夜、鉄道チケット売り場の至る所で、切符を買うために徹夜して並ぶ人々の姿が見られる。日本でもお正月とお盆は国民の帰省ラッシュがピークとなり、その混雑具合は中国の春運に引けを取らない。
欧米人にとって、1年で最も大切な時期は感謝祭とクリスマスだ。ほとんどの家庭でこの日に家族が集まり、酒を酌み交わし談笑する。
諸外国と比べると中国人にとっての「帰省」は変わることのない「心情」と「信仰」と言えよう。普段は故郷を遠く離れて生活のために働き、春節には故郷に戻り家族や友人と旧交を温める。家族が集まり、一家団らんを充分に楽しむことで、生き生きと活力に満ちた新たな一年を迎えることができるのだ。(編集KM)
「人民網日本語版」2016年1月25日