河南省洛陽市の旧市街地邙山鎮で、両足がマヒした張桂林さんが2階建ての小さな建物の前の鉄骨製のエレベーターの中に座っており、モーター音を立てながらゆっくりと降りてきた。夫である馬小鵬さん手作りのエレベーターの力を借りて、身体が不自由な張さんが階下で日光浴を楽しんでいる。新華網が伝えた。
馬小鵬さん(31)は河南省洛陽市の農民で温厚篤実な性格だ。2006年、張さんは大学の合格通知を受け取る前にうっかり転んでけがをしてしまい、足が不自由になった。偶然のきっかけで彼女は地方で出稼ぎしている洛陽出身の馬さんとネットで知り合い、その後2人は夫婦になった。
結婚を決めた当時、張さんの身体のことは気にならなかったのか筆者が質問した際に馬さんは、「当時はそんなに色々考えなかった。最大限の努力をして彼女の世話をしようとだけ考えていた」と優しい笑顔で答えた。
のちに馬さんは家のすぐ前に2階建ての小さな建物を建設し始めた。元々、太陽光の大半は近所の家に遮られていたが、2015年末に馬さんは10万元(約16万8千円)を費やし、元々あった部屋を基礎にしてもう1階増築した。張さんは2階の住居に移動したが新たな問題が発生した。車イスを利用している張さんが1階と2階を行き来するのが非常に不便なのだ。思いやりがある馬さんは妻が日光浴が好きなのを知っていたため、問題の解決法を考え始めた。
2016年2月、鉄骨、鉄板、電気ホイストを買ってきた馬さんがエレベーターを作り始めて1ヶ月、「高さ約6メートルのエレベーターが彼の家の前に完成した。「彼女と結婚した以上、その面倒を見なければいけないでしょう。何が愛なのか愛じゃないのか私にはわからないが、いずれにせよ自分がやらなければいけない事だ」と馬さん。素朴な言葉の中に、この村の男性の溢れんばかりの優しさが透けて見える。
張さんは、「私はまた違った幸せを感じている。健康な身体ではないけれど、毎日ケンカをする心配はないので、現状にとても満足している」と笑った。(編集JK)
「人民網日本語版」2016年4月21日