1987年9月14日に、中国は「Across the Great Wall we can reachevery corner in the world」と書いた電子メールを初めて送信し、20日に送信に成功した。これをきっかけとして、中国人のインターネット使用の幕が切って落とされた。
2017年、アントフィナンシャルサービスグループ傘下のマネーマーケットファンド(MMF)「余額宝」は1656億ドル(1ドルは約112.1円)の管理資産を保有することとなり、米国の金融業界の大手企業であるJPモルガン・チェースを超えた。2016年、中国のモバイル決済の取引金額は8万5000億ドルに達し、同期比で米国の約70倍にも相当した。
ここ30年、中国インターネットの進展は「中国速度」で世界を驚愕させた。ボストンコンサルティンググループ(BCG)はこのほど、阿里研究院、百度発展研究センター、滴滴政策研究院と共に、「中国インターネットの特徴に関する解読」という中国のインターネット経済に関する白書を公表した。
▽中国インターネットの3大特徴
1.巨大で独特
中国は7億1000万人のネットユーザーを有しており、これはインドと米国のインターネットユーザーの総数に匹敵する。中国経済はインターネットとの関連性が高く、GDPの6.9%を占めている。インターネット業界の大手企業やユニコーン企業(企業評価額が10億ドル以上のベンチャー企業)は、会社の規模・企業数で、米国企業と肩を並べて世界の先頭に立っている。しかし、中国のインターネットの市場構造は米国と大きく異なっている。中国は電子商取引とインターネット金融の割合が米国より明らかに高い。また、ネットユーザーは米国と比較すると、若年層が多い、草の根的で、移動性が強く、古いものに飽きやすいといった特徴がある。
2.急速に発展している
中国のインターネットの成長スピードは世界一を誇りながら、更に大きな成長の可能性を持っている。モバイル決済の規模が米国の70倍もあるように、インターネットの新しい応用やサービスの普及が極めて速い。
3.活発で変化に富む
中国のインターネット経済が活発であるということは、変動も激しいということだ。サービスと技術の応用が変化に富んでいる。そのため、流行の期間には企業が「雨後の竹の子」のように登場し、流行と共に消えていく。企業が一夜にして有名になる可能性もあるが、企業の平均寿命が短くなるといった弊害も産んでいる。
▽中国のインターネット企業が依然として急速な発展を続ける理由
その理由として、まずは全体的な経済環境の「配当金」が潤沢なことが挙げられる。人口配当金(中国は大量な若い消費者を持っている)、人材配当金(数多くの理工学の卒業生はエンジニアの予備軍になる)、資本配当金(莫大なマネーサプライはインターネット業界に豊かな資本を提供する)、インフラ整備配当金(中国政府の上から下への政策企画と投入はインフラ整備を保障する)がそれだ。また、業界の高い透明度も挙げられる。業界の情報が公開してからの拡散スピードも速い。そして、中国経済全体の飛躍的な成長だ。中国がインターネット時代に入った際、一部の業界は市場の成熟度が低いままで、潜在的なニーズが蓄積された市場がまだまだ残っている。
▽中国のインターネット市場の成功の鍵
中国のインターネット市場で成功を収めるための四つの要素は、中国向けのカスタマイズ企画能力、市場変化に速やかに応える能力、オンラインとオフラインの結合能力、生態建設能力だと言われている。中国で成功を収めたいと思う海外のインターネット企業は、それなりの柔軟性と能力を備えなければならないだろう。
▽将来的に、中国のインターネット業界はどのように変化する?
1.中国のインターネット業界は、全体的に急速に発展し続ける。
2.新しい発展モデルは新たなチャンスをもたらす。
3.中国のインターネット業界は引き続き活発な状態を保つが、変動が穏やかになる。
▽中国の特色のある企業の海外進出が与える影響とは?
中国のインターネット企業の海外進出のモデルと特徴は、従来の産業の問題点の解決、市場のニーズに合わせて速やかに反応するといったことが挙げられる。
中国国内のインターネット企業への影響といえば、外国からの競争に直面し、中国のインターネット企業が異なる発展方向を模索するようになることだ。例えば、ウィンウィンをどのように実現するのか。中国のインターネット企業と提携する価値は何かについて、模索するようになる。
国際インターネット業界の大手企業への影響といえば、中国のインターネット企業は競争ではなく、協力・提携の機会を作り出す可能性が高い。例として、2017年、テンセントやマイクロソフト、eBayなどがインドのネット通販Flipkartに共同で出資した。テンセントは資本投資のほか、戦略の立案にも深く関わっていたという。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年9月26日
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