中国の習近平国家主席は10日午前、海南省で開かれているボアオ・アジアフォーラム2018年度年次総会の開幕式に出席し、重要な基調演説を行った。
習主席は、「世界の発展の動向を総合的に研究し、判断すれば、経済のグローバル化は、逆戻りすることできない時代の流れだということがわかる。中国の開放の門戸は閉じることは無く、ますます大きく開いていくと明言する」と述べた。
そして、習主席は開放拡大に関して、中国は今後、以下の重大な措置を講じると宣言した。
(1)市場参入の大幅な緩和
今年、中国は象徴的な意義をもつ措置を複数講じることになる。サービス業、特に金融業の面で、昨年末に発表した銀行と証券、保険業界の外資参入規制緩和という重大な措置を確実に実行すると同時に、保険業界の開放を加速させ、外資系金融機関の設立に関する規制を緩和し、外資系金融機関の中国で可能な業務範囲を拡大し、中国と海外の金融市場の協力分野を拡大させる必要がある。製造業の面では、すでに基本的に開放されており、今も制限が残っているのは主に自動車や船舶、航空機などの少数の業界となる。こうした業界もすでに開放のための基礎が整えられており、今後は、外資参入の規制を迅速に緩和し、特に自動車業界の規制を緩和する必要がある。
(2)より魅力ある投資環境の創造
これまで、中国はこれまで主に優待政策において外資を惹きつけてきたが、今後は投資環境を一層改善していくことで外資を惹きつける必要がある。中国は今後、国際経済貿易ルールとのマッチングを強化し、透明度を向上させ、財産権の保護を強化し、法律に基づき処理し、競争を奨励し、独占に反対していく。今年3月、中国は国家市場監督管理総局など新しい機関を立ち上げ、現有の政府機関の大幅な調整を実施した。市場が資源の配置において決定的役割を果たし、政府の役割をより良く果たす上で弊害となっている体制やメカニズムを断固として取り除いていく。今年上半期には中国は海外からの投資のネガティブリスト改訂業務を完了し、参入前の国民待遇とネガティブリスト管理制度を全面的に実施していく。
(3)知的財産権の保護を強化
これは、財産権保護制度の整備において最も重要な部分で、中国の経済競争力を向上させるための最大のエールとなる。この点については外資系企業だけでなく中国企業にもさらにそのニーズがあると言える。今年、中国は国家知的財産権局の立て直しを図り、法執行を強化し、違法行為によるコストを大幅に引き上げることで、法律の抑止力を十分に発揮させていく。中国企業と外資系企業が正常な技術交流や協力を展開することを奨励し、中国における外資系企業の合法的な知的財産権を保護する。また、外国政府が中国の知的財産権の保護を強化することを求めていく。
(4)積極的な輸入拡大
内需は、中国経済発展の基本的な原動力で、日々高まる国民の快適な暮らしへのニーズを満たすための必然的な要求となる。そこで中国は、貿易黒字を目標に掲げず、輸入を拡大し、経常勘定収支のバランスを取ることを追い求めていく。今年、中国は自動車の輸入関税を大幅に引き下げると同時に、一部その他の製品の輸入関税を引き下げていく。そして、国民のニーズが比較的高く、特色や優位性がある製品の輸入増加に取り組み、世界貿易機関(WTO)の「政府調達に関する協定(GPA)」への早急な加盟を目指す。中国は、先進国の正常で、合理的なハイテク製品の貿易を人為的に制限することを止め、対中国へのハイテク製品の輸出規制を緩和するよう求めていく。今年11月には、中国は上海で第1回中国国際輸入博覧会を開催することを計画している。これは、大きなプラットフォームであり、今後毎年開催する計画となっている。同博覧会は一般的な展覧会ではなく、中国が積極的に市場を開放しているという重大な政策的PRと行動であり、各国の参加を歓迎している。
習主席は、「私が今日発表した対外開放の重大措置を迅速に実施していくことになる。早い時期であれば早いほどよく、スピーディであればスピーディであるほどよい。開放の成果を1日も早く中国企業と中国国民にもたらし、世界各国の企業と各国国民にもたらされるよう取り組んでいく。努力すれば、中国の金融業の競争力は目に見えて成長し、資本市場は今後も引き続き健全に発展し、現代産業体系の建設もスピーディに推し進められると信じており、また中国市場の環境が大幅に改善され、知的財産権が確実に保護され、中国の対外的な開放は必ずや全く新しい局面を切り開いていくと信じている」と力強く語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年4月10日
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