米国ニューヨークのマンハッタン・ミッドタウンの繁華街には、店の前に並ぶ人がいなければ気づくことのできないほど小ぢんまりとした店構えの中国レストラン「傾城」がある。立派な門構えでもなく、豪華な内装が施されてもいないこの昔ながらの上海装潢風の内装の四川料理店は2012年から6年連続で「ミシュラン1つ星」認定を受けている、ニューヨークでは名の知れた中国レストランだ。中国から来た王怡明さんと張弦さん夫婦は高所得が得られる金融業界の仕事を辞め、2011年に作家の張愛玲氏の「傾城の恋」から名前を取った中国レストランをオープンした。
ここでは「左宗棠鶏(揚げた鶏肉に甘辛いタレをかけた料理)」や「チャプスイ(米国式の中華料理で刻み肉、ネギ、モヤシ、シイタケ、青豆などを煮込んだあんかけ料理)」といった流行の「米国式中華」のメニューではなく、本場の中国料理の作り方を用いたメニューを提供している。店内には「中国結び」や「赤ちょうちん」といったありきたりな「中国要素」を取り入れず、レトロな映画ポスターやランプ、カメラなどの昔懐かしい品々が「中国と西洋を掛け合わせた」昔ながらの上海の雰囲気を醸しだしている。その味わい深さが店主お気に入りの芸術性ある雰囲気を演出している。新華網が伝えた。
王怡明さんは、「当時、米国人受けしやすかった『米国式中華』レストランにしなかったことで、多くの友人やスタッフから反対された。料理長はレストラン設立当初に経営理念が合わず去っていったこともあった。しかし実際、レストランがオープンしてからの状況は予想以上に良く、外国人利用者の多くはレストランの内装に興味を抱いて店を訪れていた。その後、レストランの良い評判が広まり、より多くの客が来店するようになった」と語った。
現在、『傾城』の顧客の半分が外国人で、もう半分が中国人だ。ニューヨークの著名人たちも来店している。王怡明さんと張弦さん夫婦は「傾城」の成功のカギは、「利益のみを追求するのではなく、レストランを文化の媒体として、こだわりを持つことだ」という。張弦さんは、「どこの文化であっても、こだわりがあり、考えさせられるものには価値がある。他人の不理解を恐れなければ、いずれ必ず相手の方から理解してくれる日が来るはず」と話した。(編集TK)
「人民網日本語版」2018年7月23日
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