中国国際出版集団と日本の非営利団体・シンクタンクの言論NPOが開催する「第14回東京-北京フォーラム」が14日午前、東京で開幕した。「アジアと世界の平和と協力発展に問われる中日の役割-中日平和友好条約の今日的な意味を考える-」というテーマをめぐり、2日間にわたり議論が行われる。中日両国の政界と経済界、学術界、メディアの代表、専門家600人が、政治外交や安全、経済、メディアなどの分野の課題をめぐって議論を行う。人民網が報じた。
公益財団法人国際文化会館理事長で元国連事務次長の明石康氏、中国外文局局長の方正輝氏、内閣官房副長官の西村康稔氏、在日本中国大使館の程永華大使、日本の福田康夫元首相、中国共産党中央宣伝部副部長で国務院新聞弁公室主任の徐麟氏らが開幕式に出席し、挨拶や基調講演を行った。
徐麟氏は基調講演で、「北京-東京フォーラムは中日双方による努力のもと、両国のハイレベルで、グローバルなシンクタンクにまで成長している。メディアと企業を結ぶこのような交流プラットフォームは、中日双方による対話強化の推進、相互信頼の促進、協力の促進、中日両国の世論に良い影響を与えるなどの面において、重要な役割を果たし、中日関係改善の促進のために有益な貢献を行っている」とした。
また、「習近平国家主席はロシア・ウラジオストクで先月行われた東方経済フォーラムで日本の安倍晋三首相と会談し、李克強総理は今年5月、日本の公式訪問を行った。こうした両国トップによる交流が中日両国関係の持続的な改善を促し、その発展にとって新たなチャンスとなる。今年は中日平和友好条約締結40周年にあたり、今回のフォーラムにおけるテーマは同条約における友好という初心を振り返り、中日両国関係の改善と発展を推し進めていくという努力の方向を示している」とした。
徐麟氏は中日が両国関係発展のために平和、友好、協力という大きな方向を堅持していくべきと強調し、平和友好協力は「国民の心と民意が目指すもの」であり、「国家の利益」であり、「時代の流れの向かう方向」であるという3つの考えについて説明した。さらに、「今年は中国改革開放と中日平和友好条約締結の40周年にあたるだけでなく、『中日共同宣言』発表20周年であり、『戦略的互恵関係の包括的推進に関する中日共同声明』発表10周年にもあたる。中日間で合意された四つの政治文書は、中日関係を健全に発展させるために堅持するべき指針・原則となっている。今回のフォーラムにおいて、中日双方の有識者たちが確固たる自信を持ち、共通認識を確認し、一丸となって協力してほしい。さらには、今回のフォーラムが、中日両国のリーダーが重要な共通認識を確認するための対話プラットフォームとなり、中日平和友好条約の精神を継承するための民衆の大きな力となり、中日関係の改善・発展の貢献のために多くの智慧と力を生み出すことを願っている」と続けた。
福田元首相は特別講演で、「中国は現在の国際秩序を形成するプロセスの中で、大きな役割を果たしている。現在の国際秩序の強化・整備を行うためには、日中両国が共に努力し、国際秩序のルールを守っていかなければならない。また、日中両国が平和友好条約の原点に立ち返り、未来に向けた友好・協力関係を構築すべき。今回のフォーラムが日中両国の密接な発展のために大きな役割を果たすことを願っている」と述べた。
在日本中国大使館の程永華大使は挨拶で、「今年は中日平和友好条約締結40周年にあたり、中日関係は正常な軌道にもどりつつあり、改善・発展の方向へと歩みだしている。その中で、今回のフォーラムのテーマは、重要な意義をもつ。また、政治・安全保障における相互信頼を積み重ね、互いの溝を建設的に管理・コントロールし、交流・協力を強化し、多国間主義を維持することは中日関係発展にとっては重要な課題となっている。今回のフォーラムを通して、両国国民の相互理解を深め、中日関係の持続的な改善をさらに促進し、アジアならびに世界の平和の発展に貢献することを願っている」と語った。
内閣官房副長官の西村康稔氏は挨拶で、「日中平和友好条約は日中関係の原点・基礎であり、両国の持続的な協力関係を発展させ、平和的な手段でどんな争いも解決するという原則が、同条約締結40周年を迎えた今日に至るまで守り続けられている。日中両国は互いに助け合うパートナーであるべきで、両国における真の平和を実現させるためには、両国民のサポートがさらに必要となってきている」と述べた。
中国外文局局長の方正輝氏は挨拶で、「今回のフォーラムに参加する両国の来賓の方々には、中日両国の社会で頻繁に注目される『中日関係の未来』や『中日間の新たな経済産業協力』、『中日が北東アジアの平和実現のために果たすべき役割』、『中日メディアの役割と責任』、『中日のデジタル経済分野における協力』などの重要な課題について深く議論を行い、新たな発想と新たな道筋を探求・考案してもらいたい」とした。
公益財団法人国際文化会館理事長で元国連事務次長の明石康氏は今回のフォーラムの中で、中日両国は力を合わせ、アジアならびに世界における問題に関して共通認識を持ち、世界的な課題の解決に共に携わっていくべきだと強調した。
全体会議終了後、各分科会に分かれて議論が行われ、政治・外交分科会は「日中平和友好条約の今日的な意味と日中関係の未来」をテーマに、経済分科会は「世界の自由貿易体制の維持と、新しい日中の経済産業協力」、メディア分科会は「変動するアジアや世界の政治経済で問われるメディアの役割」、安全保障分科会は「北東アジアの平和に問われる日中両国の厳粛な責任」、特別分科会は「地球規模で進展する脱炭素とデジタル経済に向けた日中協力」をテーマに議論を展開した。
中日両国間における最も有力な民間の対話の場となっている同フォーラムは2005年からスタートし、毎年北京と東京で交互に開催している。第10回までは中国日報社と言論NPOによる主催だったが、2015年から中国国際出版集団と言論NPOが共同で主催している。同フォーラムは官民の対話を通して、交流を強化し、中日両国の世論に影響を与え、リードしている。同フォーラムを通して、中日両国の様々な分野の有識者が多数集まり、中日関係における重要な問題について議論を展開し、双方の意思疎通を促し、溝を埋め、相互信頼を深化させているほか、両国の世論に影響を与え、リードするといった面において、中日両国関係の発展促進のために大きく貢献している。(文・木村雄太)
「人民網日本語版」2018年10月15日
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