雨の日に水たまりに足を突っ込んでしまったり、レンガ敷きの道で敷設がしっかりしていないために、レンガの隙間から雨水が潮のように噴き出してきて靴どころか靴下までぐっしょりといったような経験はないだろうか。吉林省長春市の東の郊外にある新市街地では、こうした問題に悩まされることはない。長春市では10日、朝から夜まで一日中雨が降っていたが、英俊鎮の英凱大街の歩道には、水たまりがまったくできていなかった。中鉄一局第二工程公司のプロジェクト担当者の張劉紅氏は、「雨が上がってから、ここで布製の靴をはいて歩いても、靴底が濡れることはない」と話した。科技日報が伝えた。
科技日報の記者が雨が降った後の路上を触ると、湿気があるだけで水がつくことはなかった。バケツの水10リットルをまいてみたが、水はあっという間に消えてしまった。
これが長春市英俊鎮の新型都市化建設プロジェクトで、中国の東北地区で初の「スポンジ街」となった。
スポンジ都市の概念が打ち出されてから20年近くになるが、中国では近年になって重視され始めている。これまでの排水設計では、水をスムーズに流すほど良いとされている。しかし中国の過半数の都市が水不足で、夏は豪雨が降り、洪水に見舞われる。人々は、都市インフラは貯水を重視すべきではと見直している。
記者が現場を取材したところ、この水はけの良い路面は「大孔豆石」と呼ばれている。敷設前に生産される豆石コンクリートは、スポンジのように半分が空洞になっている。「豆石」とはセメントの粒のことで、小さな穴が水はけを促しやすい構造になっている。地面のレンガは特殊な骨材コンクリートだ。豆石コンクリートの下は「中粗砂層」になっており、貯水を可能にしている。
幅1.5メートルの緑化エリアも、車道や歩道より数十センチ低くなっており、貯水が可能となっている。しかし雨水は緑化エリアに直接流れるわけではない。まず、水はけの良いレンガが敷かれた水溜に流れる。降水量が多くこの水溜から溢れ出る場合、丸石の敷き詰められた水路に入る。ここからさらに溢れ出た場合、緑化エリアに入る。こうして水を出来る限り貯水層に染み込ませる仕組みとなっている。
晴れると緑化エリアの灌木や草は余った雨水を利用するため、余計に水やりをする必要はない。穴の多い路面も水を蒸発するため、打ち水の効果があり、ヒートアイランド現象を弱める。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年10月15日
このウェブサイトの著作権は人民日報社にあります。
掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn