中国科学院合肥物質科学研究院原子力安全技術研究所のプロジェクトチームが開発した液体金属リチウム実験回路はこのほど、国内で初めて1000時間の1500K(摂氏1227度に相当)超高温安定稼働に成功した。これは中国の先進的な原子力システム液体金属冷却材コア技術が、新たな進展を実現したことを意味する。人民日報が伝えた。
チームは開発において、超高温液体リチウムを媒介とする環境下における装置の構造の応力調整や没入型測量、流動の安定性の制御といった難題を解消した。同回路は現在、一連の高温難熔融合金の1400−1500K内の流動リチウム環境における耐腐食性の研究・実験を展開している。高温運行性能は世界トップ水準に達し、超高温液体リチウム及び構造材料の互換性などの研究に、重要な実験プラットフォームを提供している。
液体リチウムもしくはリチウム合金は核融合炉内で冷却材となり、核融合炉が生んだエネルギーを放出できる。これには作業温度が高く、熱伝導性が高く、密度が低いといった特長がある。液体リチウムは沸点が高いことから、システムは通常圧力で稼働できる。リチウムなどの冷却材を使うことで、核融合炉の小型化・軽量化が可能になる。そのため大出力宇宙炉と未来の核融合炉の冷却材料の有力候補になっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2018年10月15日
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