【国際観察】再び持ち上がった新型コロナウイルス「研究所流出」陰謀論はまさに荒唐無稽

人民網日本語版 2021年06月08日16:51

バイデン米大統領は先日の声明で、新型コロナウイルスが動物からの感染に由来するのか、それとも研究所から流出したのかを解明する満足のいく報告書を提出するよう米情報機関に指示したことを明らかにした。また、全面的で透明性ある、証拠に基づく国際調査への参加を中国に促した。(文:陳籽。人民網掲載)

パンデミックの発生以来、米側はウイルスの起源解明問題を利用した政治的宣伝劇を繰り返し演じてきた。今回もまた例外ではない。

中国は世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスの起源解明をめぐり世界規模の研究作業を行うことを支持している。国内の感染防止・抑制任務が非常に厳しく多忙な中でも、起源解明研究のためWHOの専門家を2回にわたり中国に招待した。双方の専門家は共同で現地調査を行い、大量のデータを分析し、共同研究報告書を発表し、権威ある、正式の、科学的な結論を導き出した。その中で、新型コロナウイルスが研究所から人に感染した可能性は「極めて低い」と明確に指摘された。

科学的研究と事実の根拠に基づき得られたこれらの結論を米側が完全に無視し、覆そうと焦り、独自に他国に対していわゆる「調査」をほしいままに実施しようと企てているのは、どのような意図があるのだろうか?現在、米側はまさに人々の視線をそらすための手段として、「研究所流出」陰謀論を再び持ち上げている。

複数の研究は、新型コロナウイルス感染症がすでに2019年後半に世界各地で出現していたことを裏付けている。中国とWHOの合同専門家チームの科学的研究が有効な成果を挙げた後、国際社会では起源解明の第2段階調査の実施をWHOに求める声が高まった。

現在米国は新型コロナの感染者数が3300万人、死亡者数が60万人を超え、世界最多となっている。2019年7月にはすでに米バージニア州北部で原因不明の呼吸器系疾患が出現し、ウィスコンシン州で「電子たばこ病」が大規模に発生した。米国は世界最大規模、最多の生物学研究所も擁しており、フォート・デトリックで流出事故が起きたとの情報も早くにメディアに暴露されている。

もし本当にウイルスの起源解明を重視しているのなら、米側はこうした「偶然の一致」について詳しい説明を行い、WHOの専門家を自国での調査に招待し、これに協力するべきだ。だが現実には、彼らは核心的問題を避けて二義的な事のみを取り上げ、隠そうとしてかえって馬脚を露わし続けている。その上、再三にわたりWHOの専門家の導き出した権威ある結論を疑問視し、科学と事実に「不満」をぶつけている。

ウイルスの起源解明は厳粛かつ複雑な科学的問題であり、あらゆる結論は科学の尊重を基礎に構築されなければならないし、いかなる調査もウイルスの起源解明における世界で唯一の合法的調査機関であるWHOによって完成されるべきだ。米国は自国の情報機関に、未公開の「推測」や「情報」に基づく秘密的活動によるウイルス発生源の調査を指示した。「伝聞」に基づくこうした議論は、全く科学的な起源解明の助けにならない。

米側がWHO主導の調査結果を覆そうとするのは、中国とWHOの合同専門家チームが現時点で導き出した科学的結論が彼らの望むものではないからに過ぎない。米国の構想では、パンデミックは天災ではなく「きっと」人災なのだ。そこで米国の政府や一部メディア、少数の専門家は力を合わせて大芝居をうち、「推定有罪」を行おうとしているのだ。

米国のネットユーザーや専門家ですら、このような行為は見ていられず、ある新聞はWHO専門家チームメンバーで動物学者のDaszak氏の、「現時点で武漢研究所に関する証拠は政治性を帯びており、情報機関からのものあるうえ、まだ公開されていない。これは非科学的だ」との見解を報じた。NPRの報道によると、テュレーン大学の微生物学者は新型コロナウイルスのゲノムを分析した後、「私の考えは変わらない。これが自然なウイルスであることを、これまでのいつにも増して確信している」と述べた。ニューヨーク・ポストによると、米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ所長はかつてメールで、新型コロナウイルスの起源を「武漢研究所」とする主張を陰謀論と批判した。

パンデミックを前に、いかなる政治工作も国際協力を阻害し、感染症との闘いにおける世界の協力を破壊する。米国の政治屋にとっては、真実を明らかにし、命を救うことよりも政治的利益の方が遥かに重要なのかもしれない。だが彼らはデマを飛ばす自分の能力を過大評価し、世界の人々の判断能力を過小評価している。科学と事実を前に、陰謀と嘘は最後には粉砕されるだろう。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年6月8日

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