米国政府が新型コロナウイルスの起源について再び騒ぎ立てていることについて、中国外交部(外務省)が先ごろ行った定例記者会見で質問があった。外交部報道官は以前、公開されている資料によると、フォート・デトリックが意外にも中国侵略日本軍の731部隊と密接な関係を持つことに言及した。
731部隊に詳しい中国の専門家によると、事実は確かにその通りだった。1945年9月、フォート・デトリックの細菌戦専門家サンダースを日本に派遣し、細菌戦に関する状況を調査。それから1948年11月の東京裁判終了までの間に、米軍と日本との間で秘密取引が行われた。米国は731部隊隊員の戦争責任を免除することを条件に、人体実験、細菌実験、細菌戦、毒ガス実験に関するデータを入手し、利用した。
「関東軍防疫給水部」を対外的名称とする731部隊は、第2次大戦時に生物戦や人体実験などの研究を行った中国侵略日本軍の秘密軍事部隊で、黒竜江省哈爾浜(ハルビン)市平房区に本部を置いた。平房区の中国侵略日本軍731部隊罪証展示館人体実験展示ゾーンには、英語の人体実験報告書のコピーが一面の壁のようにつなげて展示されている。こうした報告書には解剖データ、解剖図、器官感染経路、感染程度の記録を含む731部隊による人体実験の状況が詳細に記録されており、731部隊が人体実験を行ったことを証明する直接的な証拠だ。
「炭疽菌実験報告」や「鼻疽菌実験報告」、「ペスト菌実験報告」など、人体実験報告書の原版は米国議会図書館の科学技術部書類保管室に保管されている。中国侵略日本軍731部隊罪証展示館の楊彦君研究員によると、これらの報告書の表紙にはそれぞれ「メリーランド州フォート・デトリック生物戦実験室化学部隊研究開発部、戦後本部資料部に返却」とあり、「ダグウェイ実験場技術図書館」の黒印がある。
「これは、米フォート・デトリックが731部隊の研究成果を生物兵器研究の重要な参考としたことを示すに十分だ」と楊氏は指摘する。
中国侵略日本軍731部隊罪証展示館の金成民館長は、「日本の降伏後まもなく、米フォート・デトリックの細菌戦専門家サンダースが1945年9月から10月にかけて日本の細菌戦に関する状況を調査した。日本滞在中、サンダースは731部隊の重要な隊員を複数尋問し、『サンダース・レポート』をまとめた」と指摘する。
サンダースの帰国後も、フォート・デトリックは細菌戦研究に精通したトンプソンを日本に派遣し、731部隊の調査を継続した。トンプソンは石井四郎を含む731部隊の重要な隊員を相次いで尋問し、「トンプソン・レポート」をまとめた。
楊氏は、「トンプソン・レポートの記述を見ると、石井四郎の供述は協力の回避、一面的供述を経て、全面的供述への過程をたどり、多くの価値ある情報を提供した」と指摘する。
金氏は、「米国は一貫してダブルスタンダードを続け、731部隊と秘密取引を行っており、人体実験や細菌戦という倫理や文明の原則に反する731部隊の犯罪行為を全く考慮しなかった」と指摘している。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年6月5日