世界保健機関(WHO)は1日、中国の科興(シノバック)製新型コロナウイルスワクチン「CoronaVac」の緊急使用を正式に承認した。WHOによる中国製ワクチンの緊急使用承認は国薬集団(シノファーム)に続き2件目となる。中国新聞社が伝えた。
WHOによる中国製ワクチンの2件目の承認は何を意味するのだろうか。確かに言えるのは、中国製ワクチンの安全性と有効性が再び国際社会に認められたということだ。
WHOのテドロス事務局長は1日の記者会見で、シノバック製ワクチンについて、「安全で有効かつ品質を保証できる」ことが証明され、保存が容易という特徴からリソースに乏しい環境での使用に非常に適しているとした。シノバック製ワクチンは発症予防有効率が51%で、重症・入院治療予防有効率は100%にも達する。
WHOの緊急使用承認を得たことで、中国製新型コロナウイルスワクチンは品質が保証されており、安全に使用でき、信頼に値するという明確なメッセージが外部に伝えられたとの分析もある。安全性、有効性、適応性が保証されているからこそ、中国製ワクチンはパンデミックと闘い、全人類のためにワクチンによる防壁を築くうえで重要な助力となることができると言えるだろう。
昨年5月の第73回WHO総会で、中国は新型コロナウイルスワクチンを国際公共財とすることを約束した。その後の1年余りで中国はワクチンを80余りの発展途上国に援助し、40数ヶ国に輸出して、累計3億回分を世界に供給した。
報道によると、ブラジルの小都市セハナでは人口の6割以上がシノバック製ワクチンの接種を受けた結果、新規感染者数が今年3月の692人から4月には235人に減り、接種を完了した人の死亡例は出ていない。
ワクチンの不足と分配の不均衡は、世界の新型コロナとの闘いが現在抱えている大きな課題だ。マリアンジェラ・シモンWHO事務局長補(医薬品・医療製品アクセス担当)は声明で、世界的に大きな問題になっているワクチン獲得の不平等性を複数種のワクチンによって解決することが差し迫って必要だと指摘した。2件目の中国製ワクチンの承認によって、発展途上国を中心に世界におけるワクチンのアクセシビリティとアフォーダビリティが一層高まるとの見方がある。
また、WHOはワクチンメーカーに対し、WHOが主導する「COVAXファシリティ」に参加し、専門的な知識やデータを共有することで、パンデミックの抑制に貢献するよう促してもいる。シノバック製ワクチンの緊急使用承認の前日、シノファームがCOVAXに供給するワクチン第1陣の生産が完了したとの報道があった。これは「1回分のワクチンの獲得も困難」な国々に「分配格差」を乗り越える希望をもたらすものだ。
中国外交部(外務省)の汪文斌報道官は1日の定例記者会見で、この件について、「まさに中国がワクチンを『国際公共財』にするとの約束を実際の行動によって実行していることを示す新たな重要事例だ」と指摘した。
パンデミックを前に、他国を顧みずに自国の事のみを考えてよい国はない。中国はこの理を熟知しており、約束を行動に移すことで新型コロナ対策の国際協力を支えている。こうした見地から考えると、WHOによる中国製ワクチンの2件目の承認は、世界のワクチン供給不足の緩和、ワクチン普及の加速にとって、非常に大きな意味を持っている。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年6月3日