国薬集団(シノファーム)が世界保健機関(WHO)主導のCOVAXに供給するワクチン第1陣の生産が1日に完了し、感染拡大の暗雲に覆われた世界に自信と希望をもたらした。新華網が伝えた。
「中国はワクチンを公共財にするとの約束を履行している。すでに累計3億回分の新型コロナウイルスワクチンを世界に供給しており、可能な限りさらに多くのワクチンを対外提供し、発展途上国におけるワクチンのアクセシビリティとアフォーダビリティの促進に貢献していく」。国家衛生健康委員会の米鋒報道官は先日の国務院共同対策メカニズムの記者会見で、中国の主張を重ねて表明した。
昨年5月の第73回WHO総会で、中国は新型コロナウイルスワクチンを国際公共財にすることを厳粛に約束した。
過去1年間に、中国は差し迫ってワクチンを必要とする発展途上国80ヶ国余りにワクチンを援助し、43ヶ国に輸出した。英紙フィナンシャル・タイムズのまとめによると、中南米地域で人口の多い10ヶ国が受け取ったワクチン1億4350万回分のうち、過半数が中国製だ。
WHOは5月7日、国薬集団中国生物・北京生物製品研究所の開発した新型コロナウイルス不活化ワクチンの緊急使用を正式に承認した。中国の国際ワクチン協力は2国間のレベルから国際公共ワクチンのレベルへと高まった。
中国製不活化ワクチンについてWHOは、保存や輸送が容易であり、数多くの発展途上国にとって大変メリットがあると評価する。
最近、世界規模で出現し続けている変異株を、中国は常に追跡し、迎え撃っている。
技術的方向性においては、新型コロナとの闘いの開始当初から中国は5つの方向性を設けてきた。現時点ですでに不活化ワクチン、アデノウイルスベクターワクチン、組換えタンパクワクチンが条件付きで販売または緊急使用の承認を得ている。残る2つの方向性について、中国疾病予防管理センター研究員で、国務院共同対策メカニズムのワクチン開発専門家チームの一員である邵一鳴氏は、「弱毒化インフルエンザウイルスベクターワクチンはすでに国内で第Ⅱ相試験を完了した。安全性、免疫原性ともに良好で、現在国外での第Ⅲ相試験の手配を積極的に進めている。また、mRNAワクチンとDNAワクチンという2種類の核酸ワクチンは、臨床前研究実験において免疫原性と安全性が非常に良好で、第Ⅱ相試験が着実に進んでおり、国外での第Ⅲ相試験の早期実施に向けた手配を積極的に進めている」と説明する。
ワクチンの生産においては、中国のワクチンメーカー各社は重大変異株の突然の発生に対処するための新型ワクチン開発の準備をすでに整えた。一方では、変異株に対応するワクチンを迅速に開発し、変異株ワクチンを既存ワクチンと逐次的に使用することが可能となっている。その一方で、新たに開発した変異株ウイルスと既存ワクチンを多価混合ワクチンとして接種することもできる。
生産能力に限りがあることから、現在世界のワクチン供給は依然として深刻に不足し、接種の不均衡という問題が突出している。
国家衛生健康委員会の馬暁偉主任は第74回WHO総会の一般討論演説で、多国間主義を堅持し、団結して新型コロナ感染症と闘い、ワクチンや診断試薬など公共財の公平なアクセシビリティを確保し、パンデミックの防止及び対処メカニズムの持続可能性を確保し、医療体制の整備を強化し、保健人材を確保し、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を促進し、人類衛生健康共同体の構築を後押しするよう各国に改めて呼びかけた。
新型コロナウイルスが世界を席巻して1年余りになる。グローバルな移動の頻繁な凍結は、パンデミックの前では他国を顧みず自国のみが被害を受けずにすむ国はないということをはっきりと示した。中国はワクチン接種による防壁を全世界が早期に構築する手助けをし、人々至上、弱者への配慮、各方面の統合的調整、十分な協議という原則を堅持し、人々のために、発展途上国のために、全人類のために責任を果たしていく。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年6月2日