中国の魏鳳和国務委員兼国防部長(国防相)は12日、第19回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)で「地域秩序に対する中国のビジョン」をテーマに演説を行い、中米関係について「中国は米国と健全で安定的に発展する大国間関係を築くことを望んでいるが、国益と尊厳は必ず断固として守る」とした。中国新聞社が伝えた。
魏部長は「現在、中米関係は重要な瀬戸際にある。中国は、中米関係の安定的発展は両国及び世界の共通利益にかなうと考えている。中米は世界の重要な大国であり、世界の平和的発展には中米間の協力が不可欠であり、対立は両国にも世界にも利益をもたらさない」と指摘。
「中国は中米関係を競争によって定義することに反対する。執拗に中国を脅威やライバル、さらには敵と見なすのなら、歴史的・戦略的過ちを犯すことになる。中国は米国に要求する。中国を非難し、中傷してはならない。中国を封じ込め、抑えつけてはならない。中国の内政に干渉してはならない。中国の利益を損なってはならない。このようにしてこそ、中米関係は良くすることができる」とした。
魏部長は「双方は両国首脳間の重要な共通認識をしっかりと実行に移す必要がある。昨年11月と今年3月、習近平国家主席はバイデン大統領とテレビ会談及び電話会談を行い、両国首脳は中米が互いを尊重し、平和的に共存し、対立を避ける必要性で同意した。だが米側の一部は依然として中国に対する包括的な封じ込めと抑えつけを行っている」と指摘。
「中国の立場は明確だ。対話するのなら、互いに尊重し合う。付き合っていくのなら、平和的に共存する。協力するのなら、互恵・ウィンウィンの関係を築く。しかし対立するのなら、徹底的に相手になる」とした。
魏部長は「中米両軍は両国関係の安定のために積極的に努力する必要がある。もし中国に戦争を強要する者がいても、中国軍は戦争を恐れない。両軍は戦略的相互信頼を強化し、誤解と誤った判断を避け、リスクと危機を管理・コントロールし、摩擦と衝突を防ぐべきだ。中国は米国と健全で安定的に発展する大国間関係を築くことを望んでいるが、国益と尊厳は必ず断固として守る」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年6月13日