中国外交部(外務省)の8日の定例記者会見で、趙立堅報道官が米国の対露サイバー攻撃発動に関する質問に答えた。
【記者】英国メディアによると、ポール・ナカソネ米サイバー軍司令官兼国家安全保障局(NSA)長官は先日のインタビューで、米国がウクライナに「攻撃的」サイバー部隊を派遣し、ロシアにサイバー攻撃を仕掛けたことを認めた。この事について、中国側としてコメントは。
【趙報道官】我々は関連報道に注意を払っており、米国の危険で無責任な行動に懸念を表明する。対露サイバー攻撃の発動と、ロシア・ウクライナ紛争に直接介入しないとの立場を公言していることの整合性をどう取るのか、米側は国際社会に説明する必要がある。
米国とNATOは、サイバー攻撃は武力攻撃と見なすことができると公言している。また、米国は以前、米国に対するサイバー攻撃には通常手段さらには核攻撃で応じることもあると公言した。米側の政策のロジックに従えば、米側のこうした行為はロシア・ウクライナ紛争の拡大を招く可能性があり、核攻撃を誘発する潜在的危険性さえある。
米国がロシア・ウクライナ紛争を利用して危険な実験を行っていることは、容易に見て取れる。米国は、世界最強のサイバー軍事力をもってすれば、サイバー攻撃の招く様々な結果を制御できるとの自信を持っている。しかし、現実の状況が完全に米側の想定通りに推移することはあり得ない。事態がひとたび制御不能に陥れば、最終的に米国を含む国際社会の共通利益が損なわれることになる。また、米側はいくつかの中小国におけるサイバー軍事力の前方展開も繰り返し公言している。これによって、これらの国々が不必要な紛争に巻き込まれる可能性がないか、関係国は強く警戒すべきだ。
サイバー空間は人類共通の活動空間だ。我々は米側に対して、こうした危険で無責任なやり方を改め、国際社会と共にサイバー空間の平和と安全を維持するよう促す。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年6月9日