日本では先ごろ、数多くの人々が東京電力本社と首相官邸前に集まり、福島原発汚染水の海洋放出について「犯罪だ」として強く反対を唱えた。しかし、日本は国際機関の専門的で権威ある意見や国内外の反対の声を無視し、海洋放出施設の建設を加速しているうえ、今年春から夏の間に原発汚染水を海洋放出する計画は変わらないと公言している。全世界の海洋環境や人々の健康を顧みず、原発汚染水の海洋放出計画を強引に推し進める日本側のやり方は極めて無責任だ。(人民日報「鐘声」国際論評)
海洋環境は国際社会全体の利益に関わり、原発汚染水の海洋放出は日本だけの事では断じてない。日本側が海洋放出の決定を発表すると、中国、韓国、ロシア、フィリピンなど各国及び関係する国際機関がいずれも懸念を表明した。日本政府と東京電力は以前、関係国の理解を得られなければ原発汚染水を処分しないと約束したが、現在ではこの約束に背き、独断専行している。太平洋諸島フォーラム(PIF)のプナ事務局長は「日本政府は原発汚染水の処分について太平洋島嶼国と意思疎通を保ち、全ての独立した検証可能な科学的証拠を提供すると約束したが、遺憾なことに日本政府は協力しておらず、彼らがしようとしている事は以前の約束に反するものだ」と指摘した。
「国連海洋法条約」「ロンドン条約(1972年)」「原子力事故の早期通報に関する条約」「原子力の安全に関する条約」「放射性廃棄物等安全条約」の締約国である日本が原発汚染水の海洋放出を強引に推し進めることは、国際法上の義務への重大な違反だ。国際原子力機関(IAEA)は日本側の海洋放出案に対するレビューをまだ終えておらず、ましてや具体的結論は出しておらず、これまでに発表した3件の報告では日本側が示した原発汚染水海洋放出と監視・管理案にIAEAの安全基準と一致しない点があることを指摘し、多くの改善提言も行った。福島原発汚染水の処分期間は長く、様々な不確実性が突出している。日本側は原発汚染水の処分問題について有効な国際的監視を受け入れるべきだ。
ここ2年の間、国際社会は原発汚染水の海洋放出という日本政府の一方的かつ間違った決定に対し、一貫して強く問題視し、反対してきた。国連安保理が先般開催した海面上昇と国際平和・安全問題に関する公開会合では、各国代表が改めて、日本側が原発汚染水の放出作業の推進を加速していることを批判した。PIFの特別首脳非公式会合は、日本が科学とデータに基づき原発汚染水の海洋放出という政策決定を指導するべきであることを重ねて表明した。日本国内でも多くの人々が日本政府の無責任なやり方に反対しており、海洋放出が悪影響をもたらすと考える人は9割以上に上る。
日本側は各方面の理にかなった懸念を直視し、国際的義務を忠実に履行し、ステークホルダーと十分かつ意義ある協議を行い、科学的で公開性と透明性ある安全な方法で原発汚染水を処分し、海洋環境と各国の人々の健康と権利・利益をしっかりと守るべきだ。周辺諸国などステークホルダー及び関係する国際機関と十分に協議して合意に至る前に、原発汚染水の海洋放出を勝手に始めるべきではない。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月16日