中国の「雪竜2」号、大洋観測作業を完了
人民網日本語版 2024年01月23日13:51
「雪竜2」号(資料写真)
中国第40次南極観測「雪竜2」号大洋隊は北京時間22日、最後の投下式水温・塩分計の投入作業を終了し、今航行段階の航走及び大洋の調査任務を完了した。新華社が伝えた。
観測隊の王金輝サブリーダーは、「観測隊は2023年12月28日に観測作業を開始してから、南極大陸の縁に位置するアムンゼン海及び隣接の海域で水文環境、大気環境、海氷環境、海洋生物生態、海洋化学などの学際的な総合調査を実施するとともに、その期間中にタイミングを見計らい陸上調査任務を遂行し、ペンギン生息地に対して調査を行った」と説明した。
「学際的な総合調査によりアムンゼン海の生態系の状況、特にポリニア(海氷に囲まれた海域)への認識、及びその世界的な気候変動による影響への理解をさらに深めた」。王氏は、「アムンゼン海のポリニアの生産力が高いことが調査によって分かった。商業漁獲種としてのナンキョクオキアミは主にポリニアの外に分布している。関連する調査結果は、同エリアの高生産力・低出力効率のメカニズムを明らかにする上で重要な科学的意義を持つ。また観測隊は初めてアムンゼン海で栄養レベルの構築作業を体系的に行い、比較的豊富な生物種サンプルを取得し、アムンゼン海の食物網の構築及び栄養関係におけるキーストーン種の探究に科学の参考となる材料を提供している」と述べた。
作業期間中には、中国極地研究センターが開発したオキアミ及び環境パラメータの長時間連続観測に用いられる極地深水生態ブイといった複数の新技術・新装備が応用された。これは中国が初めて極地で設置した生態ブイだ。このほか、独自に開発された測量用無人艇のテストが南極で行われた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年1月23日
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