中国の科学者、天体の高エネルギー電子生成の謎を解明

人民網日本語版 2024年07月19日09:25

中国科学院国家天文台が17日に明らかにしたところによると、同天文台などの科学研究者は国家重要科学技術インフラである大型レーザー装置「神光2号」を利用し、初めて大規模な運動乱流プラズマにおける電子のランダム加速を実現し、複雑な天体環境における高エネルギー電子生成の謎を解明した。これに関連する研究成果は「ネイチャー・コミュニケーションズ」にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。

「サイエンス」誌が発表した125の科学問題の一つとして、天体における高エネルギー粒子の起源問題は未解決の謎だった。天体物理学者は異なる天体環境における高エネルギー粒子の生成メカニズムを説明するため、磁気リコネクション加速、衝撃波加速、ランダム加速など複数のメカニズムを提起してきた。

実験室の天体物理学研究は最近、粒子加速の面で一連の重要な進展を遂げた。実験室内で乱流による磁気リコネクションの加速と衝撃波加速を実現した。「だが、現在まで、ランダム加速のメカニズムが証明されていない。主な難点は、実験室内で天体に似た大規模な運動乱流プラズマを生成することにある」と論文の筆頭著者で中国科学院国家天文台の袁大偉博士は説明した。

科学研究者は今回「神光2号」を用い、実験室内で超音速対流プラズマを生成し、ビーム速度の異方性を利用し電磁ウェーバの不安定性の発生と発達を誘導し、大規模なプラズマ乱流構造の形成を誘発した。彼らはさらなる分析により、同乱流構造のパワースペクトルが運動乱流スペクトルと非常に一致することを発見した。実験では異なる角度からの高エネルギー電子べき法則スペクトルが同時に測定された。

論文の共同連絡著者で中国科学院国家天文台の趙剛院士は、「理論的シミュレーションにより、これらの高エネルギー電子が主に乱流などのプラズマの熱電子と磁気アイランドの複数回の衝突、すなわち乱流のランダム加速から生まれたことを発見した。これは天体の複雑な環境における粒子加速及び高エネルギー放射を理解する上で非常に重要だ」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2024年7月19日

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