新たに高齢者の仲間入りをした「新高齢者」の保養生活とは?
数多くの60後(1960年代生まれ)は定年退職の年齢を迎えている。この新たに高齢者の仲間入りをした「新高齢者」は一般的に健康で、その活力は衰えておらず、誰かの世話になる介護の時期はまだ大分先のことだ。新高齢者はより多くの教育を受け、より多くの仕事の経験を積んでいる。これまでの高齢者と比較すると、より消費力が高く、より旺盛な旅行意欲があり、より高いレジャーニーズを持っている。
浙江省高齢者サービス業協会の徐佳増会長は、「今では、高齢者の保養は以前のような受け身の硬直的需要から主体的な消費へと転換しつつあり、『低年齢、活力、品質、消費』でくくられる高齢者層がシルバー経済の新たなブルーオーシャンを作っている」と述べた。
「2019年中国天然酸素バー緑書」によると、50後(1950年代生まれ)と60後の層がレジャー・ヘルスケア・観光の消費ニーズを支える存在として台頭しつつあり、気候の良さが特徴的な酸素バー旅行の大きな市場が生まれようとしている。中国の東北地域の国境地帯に位置する黒竜江省伊春市には、400万ヘクタールの広大な森林が広がっている。森林率は83.8%にも達し、名実ともに天然の酸素バーだ。現地の伊春岐黄ウェルネスセンターでは、滞在中の李国福さん(74)がお茶を飲みながら、仲間と話をしていた。このセンターの「深呼吸できる、ぐっすり眠れる、じっくり遊べる」という宣伝文句は、長年にわたり眠りが浅くて困っていた李さんにとってまさに朗報だったという。
「メーデー」(5月1日)連休期間が終わると、昨年に退職したばかりの劉臨江さんとその妻が、ペットの犬「大猫」を連れて西へ出発した。途中で阿爾泰(アルタイ)地区があるドラマで人気だと聞き、急遽コースを変更してアルタイを訪れることにした。「1人でキャンピングカーに乗っていてもつまらない。一緒に行く人がいるから楽しめる。途中で全国各地のキャンピングカー愛好家と出会ったが、私達とそれほど年齢が変わらない人が多かった。みんな若い頃は時間がなかったので、退職してからやりたかったことをやっているのだ」と劉さん。
中国観光研究院の戴斌院長は、「ドライブ旅行やキャンピングカーでのキャンプ旅行は急速発展期に入り、文化観光市場の発展推進に対して、とりわけ農村観光に対して、大きな役割を果たすだろう」との見方を示した。
浙江省中部にある武義県は、同省で初めてかつ唯一の、旧国土資源部(省)が「中国の温泉地」と命名した県だ。ここ数年、温泉による保養の名所として、毎年数万人の高齢者が訪れて健康増進のために滞在している。
前出の徐会長は、「ここ数年、湖北省、北京市、安徽省なども有名な山や川、宗教的・文化的資源などを利用して、禅の修行や穀物断ちといったニッチな旅行・保養プログラムを開発している」と説明した。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年7月25日
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