中国初の公共科学観測埠頭を訪ねて 深海研究の「サービスステーション」を建設
海南省三亜市の南山港に位置する中国初の公共科学観測埠頭で13日、科学観測船「沈括」号が出航し、新たな海洋科学観測を開始した。中国新聞網が伝えた。
科学観測船「沈括」号が13日、三亜南山港公共科学観測埠頭から出航した。(撮影・張月和)
三亜南山港は水深1000mの深海域に最も近い中国の港で、科学観測船は出港してからわずか約100カイリで深海に到達できる。2020年に「海南自由貿易港建設全体案」が発表された後、南山港は海南自由貿易港重点パークである三亜崖州湾科技城の深海科学技術産業の重要部分になった。その機能の位置付けは貨物輸送港から「科学観測母港」になった。
三亜南山港公共科学観測埠頭は2021年、着工した。同埠頭は今年7月1日に正式に試験的な係留段階に入った。空から見ると、同埠頭は南山を背に、南中国海に面している。埠頭沿岸の係留施設には大きさが異なる科学観測船が停泊している。
沈括号は三亜南山港の「常連」だ。同埠頭が深海に近いという優れた地理的位置は、多くの科学観測船が停泊する重要な理由だ。船長の郭氏は、「南山港と南中国海の水深1000mの海域の間は1日で1往復できる。科学観測船は航行にかかる多くの時間とコストを節約できる」と述べた。
三亜南山港公共科学観測埠頭の空撮写真。(画像提供は三亜崖州湾科技城メディアコンバージェンスセンター)
同埠頭の特徴は、すべての科学観測船及び科学研究機関、企業、大学などに開放されている上、深海科学観測の需要に合わせ統合サービスパッケージ及び対応するインフラを構築しており、科学研究者に利便性を提供している。
深セン海蘭クラウドデータセンター科技有限公司は同埠頭に、海底データキャビンのサーバーの計算力調整に特化した実験室を設置した。同社のプロジェクト建設マネージャーの李彩斌氏は、「同埠頭は場所、人員、生活サポートなどの面で利便性を提供してくれた。サポートインフラは重さ500トンの水中設備の陸上メンテナンスを支援できる」と述べた。
三亜南山港埠頭有限公司マーケティングディレクターの沈悦氏は、「深海科学観測の持続的な深化に伴い、科学観測船の公共科学観測埠頭への需要がますます拡大する。同埠頭の試験的な係留後、すべての係留施設が埋まることが時々あり、埠頭のサービス能力に対する要求が高まっている。将来的に同埠頭は引き続き係留施設のレベルを高め、数を増やすことで、より多くのより大型の科学観測船の停泊の需要を満たす」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年8月15日
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