世界の新造船舶の90%を受注 世界のハイエンド市場開拓を加速する中国の造船業
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中国は現在、世界の「造船工場」へと成長している。人民網が伝えた。
英国の造船・海運動向分析機関であるクラークソンズ・リサーチが発表した報告によると、8月、世界の船舶の新造発注数は106隻、標準貨物船換算トン数(CGT)は387万トンだった。うち、中国は全体の90%に当たる95隻(347万CGT)を受注した。
中国の造船業はどれほど好調なのだろうか?まず、一連のデータを見ていこう。
今年1‐7月期、中国が輸出した船舶は前年同期比28.3%増の累計3470隻に達した。その輸出額は前年同期比84.4%増の1736億7900万元(1元は約20.1円)だった。
今年上半期、中国の造船業の3大指標(造船竣工量、新造船舶受注量、手持ち工事量)は前年同期比それぞれ18.4%増、43.9%増、38.6%増だった。またそれらが世界に占める割合はそれぞれ55%、74.7%、58.9%だった。
第2四半期(4-6月)、中国の造船業界の景気動向指数は144ポイントに上昇し、好景気の範囲に突入した。同ポイントが140ポイントを超えるのは、2012年以来、約12年ぶりのことだ。
中国の造船業の3大指標は14年連続で世界一をキープしている。また、中国企業7社が昨年、新造受注トップ10に入った。
造船業は新たな上昇期に突入し、市場の需要が急速に高まり、中国の造船企業の受注数が高止まりしている。
世界最大の造船グループの一つである中国船舶集団有限公司は上半期の業績説明会で、「現在、受注が殺到していて、2027年末までいっぱいになっており、2028年まで待ってもらう必要のあるケースも生じている」と明かした。
また、ハイエンド化とグリーン化が発展のトレンドとなっている。
取材では、今年に入り、ハイテクが駆使された付加価値の高い船舶が相次いでクライアントに引き渡しされるなど、吉報が続々と届いていることが分かった。
8月8日、世界最大のRO-RO船「Höegh Borealis」の引き渡しが江蘇省南通で行われた。同船舶は世界最大であるほか、世界で最も環境にやさしいRO-RO船でもある。9月9日、広州南沙で進水した「新明珠39号」は、中国国産のカーボンファイバー材料で建造された旅客フェリーで、海外の技術の独占状態を打破した。
造船企業の受注状況を見ると、RO-RO船やコンテナ船、LNGタンカーなど、ハイテクが駆使され、付加価値の高い船舶が占める割合が安定して高まっており、上半期におけるグリーンな動力の船舶の新規受注の世界シェアは71.7%に達した。
中国船舶集団有限公司の業績を見ると、上半期、新たに受注したグリーンな船舶が占める割合が50%以上となっている。また、ミドルレンジ・ハイエンドの船が占める割合は70%以上となっている。その傘下にある江南造船と滬東中華、外高橋造船の3社が建造し、引き渡した船舶は38隻、手持ち工事量は65隻、ミドルレンジ・ハイエンドの船舶が占める割合は90%以上だった。
世界の端から中心に至るまで、中国の造船業は、ハイエンド市場の開拓を加速化させている。
LNGタンカーは、氷点下163度という極低温を維持して液化天然ガスを輸送することできる世界で最も建造が難しい船のタイプの一つで、造船業界では「王冠に輝く宝石」と言われている。
9月9日、中国船舶集団傘下の滬東中華は、カタールエナジーと、世界最大となる27.1万立方メートルの超大型LNGタンカー6隻を建造することで合意した。これにより、カタールエナジーが滬東中華に発注したLNGタンカーは36隻となった。積載量を基準に計算すると、滬東中華のLNGタンカーの受注数が初めて世界トップとなった。
これは、研究開発と設計能力、産業チェーンの水準が高まっている中国の造船業界の縮図と言える。
中国ではすでに滬東中華や大船重工、江南造船、招商海門、江蘇揚子江船業をメインとする大型LNGタンカー建造企業クラスターが形成されている。
中国造船工学学会の王俊利秘書長は、「技術水準がさらに高まり、さらに短期間で建造して引き渡しできるようになっていることで、競争力が大幅に高まっている。中国の船舶の研究開発と設計能力は大幅に高まっており、世界で主力となっている全てのタイプの船舶を受注する能力をすでに備えており、独自でコントロールが可能な整った産業チェーンを有し、船舶建造の効率が安定して高まっている」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年9月23日
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