中国の科学者、AIでブドウ育種を指導
中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所が4日に明らかにしたところによると、同研究所の周永鋒研究員のチームは人工知能(AI)を利用しブドウの育種を指導する新たな方法を開発した。育種期間を短縮し、ブドウ品種のイノベーションを加速させるとともに、その他の多年生作物の育種に方法論的な参考となることが期待される。同研究成果は4日、国際的に権威ある学術誌「ネイチャー」の姉妹誌「ネイチャー・ジェネティクス」にオンライン掲載された。新華社が伝えた。
周氏のチームは2015年よりブドウの育種に注力し、23年にブドウのT2T(telomere-to-telomere)参照ゲノムを描いた。さらに野生のものと栽培のものを含む9種の二倍体ブドウ品種のシーケンシングとアセンブリングを行い、18個のT2Tのハプロタイプゲノムを取得した上、既存のゲノムデータと統合し、包括的で正確なブドウパンゲノムを構築した。
周氏のチームはこれを踏まえた上で機械学習アルゴリズムを導入し、ブドウゲノムデータとブドウ性状データ間の複雑なネットワーク関係を解析し、ブドウ全ゲノム選択モデルを構築した。科学研究者はこのモデルを通じ、ブドウ成熟後の性状を速やかに予測できる。データの分析・検証を経て、予測精度は85%に達し、優良品種のより良い選択に役立つ。
周氏は、「ハイブリッド育種はブドウ成熟後の表現型に基づき判断する必要があるのに対し、この選択モデルの全ゲノム選択育種技術はブドウの幼苗期にその成熟後の性状を予測でき、条件に合わない幼苗を早めに取り除き、不要な人件費と経費を減らすことができ、ブドウの育種応用において大きな潜在力を持つ。関連研究成果は現在すでに6件の国家発明特許を取得し、1件の国際特許を出願した」と述べた。
同研究は中国農業科学院深セン農業ゲノム研究所、南京農業大学、中国農業科学院鄭州果樹研究所、新疆農業科学院園芸作物研究所などの機関の科学研究者が共同で実施した。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年11月12日
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