高速鉄道の時代に中国はなぜ運河を建設するのか?
近年、新たな運河建設の動きが注目を集めている。江淮運河や京杭大運河の杭州区間の改修工事が完成し、平陸運河が着工したほか、浙贛(浙江-江西)運河、贛粤(江西-広東)運河、湘桂(湖南-広西)運河といったプロジェクトも検討段階に入っている。
運河の建設は投資の成長を牽引する。今年に入ってから、中国の水運固定資産投資は第1四半期(1-3月)で461億元(1元は約21.5円)に達し、上半期(1-6月)で1000億元を突破し、第1-3四半期(1-9月)で1500億元を超えるといった具合に、平陸運河など大型プロジェクトが牽引する形で急成長を維持し、交通投資において際立つ存在となっている。
中国の鉄道総延長が16万キロを突破し、高速鉄道が4万6000キロを超えた現在、大規模な運河建設にはどのような意義があるのか?
(1)水運の比較優位性を活かし、物流コストを効果的に削減
例えば、京杭大運河の蘇北区間を使って上海まで輸送した場合、淮安江淮漕運コンテナ公司では、道路輸送と比べ、一度の輸送で70-80%のコストを削減でき、顧客の負担を年間2億4000万元引き下げられる。
また、江淮運河では2023年8月の全面開通後、淮河から京杭大運河を経て長江に入る迂回ルートが不要となり、航程が200-600キロ短縮され、沿線の工業企業にとっては5-10%の物流コスト削減となった。
(2)各航路の物流成長をけん引、地域経済の発展を促進
東南大学交通学院の徐宿東教授によると、運河建設は沿線の港や航路の物流を加速させるだけでなく、もともと独立していた水系をつなげることで水資源の最適な配置を実現し、内陸部と沿海地域との間で物流の利便性が高まり、地域経済の調和ある発展が促進される。
山東省では、石炭と元々無縁だった梁山港が、京杭大運河によって3年足らずで省内の石炭備蓄拠点へと成長した。山東省交通運輸庁の担当者は、「京杭大運河の山東区間では、すでに24本のコンテナ航路が開通し、50以上の港に通じている。今後は大口商品取引拠点の構築も模索していく」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年11月14日
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