1本の草が「編み出した」広西・博白の編み工芸品産業
11月になると、欧米の国・地域では籐製のツリースカートなどのクリスマス用品が続々と店の棚に並ぶようになる。一方、遠く離れた広西壮(チワン)族自治区玉林市博白県では、早くも5月に現地の籐製品メーカーがクリスマス用品の生産・出荷のピークを迎えている。
広西博白県佳裕工芸品有限責任公司の責任者の涂春暁さんは取材に対し、「5月から8月までが、1年で会社が一番忙しい時期だ。この時期には、2000人を超える従業員が籐製のクリスマス飾りの製作に取り組み、9月までに欧米に出荷できるようにしている」と話した。
同社の展示ホールに足を踏み入れると、パン用バスケット、ピクニック用バスケット、額縁、時計、照明器具など2万点を超える精緻な作りの編み工芸品がずらりと並んでおり、思わず目を奪われる。同社は年間800万点以上の編み工芸品を製作し、年間生産高は5000万元(1元は約21.3円)を超え、欧米、東南アジア、中東などの国・地域で売り上げは好調だという。
博白県は「中国編み工芸品の都」と呼ばれ、早くも宋の時代から民間の編み工芸で知られていた。1970年代末頃になると、製品は遠く欧米、中東、東南アジアなどへ売られるようになった。
同県の伝統的な編み工芸品は天然植物のススキ、竹、木、草、籐、ホテイアオイなどを使用し、これに金属、プラスチック、ペーパーコード、布、草などを補助材料として使用し、デザインは豊富で、市場での人気が高い。博白のススキと竹を使った編みの技術は広西の無形文化遺産に認定されている。
この伝統的な「指先から生まれる技術」は今や同県の経済成長を牽引する特色ある産業だ。統計によれば、同県には現在、編み製品メーカーが390社近くあり、正社員は2万人を超え、臨時従業員と季節的労働者は20万人前後に上るという。
同県のメーカーは市場ニーズに応えるべく、相次いでモデル転換を果たし、編み製品をこれまでの実用的な入れ物から、より多彩なホームインテリア製品、トレンドバッグ、ペット用品などへと拡大させた。
現在、同県のススキ・竹編み製品は10大シリーズ・5万種類以上あり、一般家庭、ホテル、オフィス、観光、祝日イベントなどに広く用いられ、販路は欧米、中東、東南アジアなど40以上の国・地域へと広がっている。(編集KS)
「人民網日本語版」2024年11月26日
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