仮設住宅で日常を取り戻しつつある被災者 西蔵定日
1月12日(日)、古栄村では風が強く、砂塵が巻き上がっていた。
西蔵(チベット)自治区日喀則(シガツェ)市定日(ティンリ)県で今月7日午前9時5分、マグニチュード(M)6.8の地震が発生した。被害が最も深刻な村の一つである古栄村では、第一陣の被災者が仮設住宅での生活を既に始めている。その一人である索朗さんは、ほうきで家の前の砂や埃を掃きながら、「早く家の中に入ってください。中は暖かいですよ」と招いてくれた。人民網が報じた。
仮設住宅でテレビを見る古栄村の村民。撮影・翁奇羽
索朗さんの家に入ると、とても暖かで心地良く、ベッドやテレビ、暖房器具、日用品などが揃っていた。
索朗さんは、「地震発生から3日もしないうちに、仮設住宅で住むことができるようになった。こんなに早く仮設住宅ができるとは思ってもみなかった。それも、1軒や2軒ではなく、1千軒以上。村の人がみんな続々と仮設住宅で住めるようになっている」と話していた。
仮設住宅の屋根に上って作業する作業員。撮影・翁奇羽
午前9時、中国郵政の配達員・辺巴さんが車で古栄村にやって来た。
巴桑さんは、郵送されてきた地震発生前に義母のために購入した服を受け取り、「少しずつ元の生活に戻っている。今日は宅配便を受け取ることができて、とてもうれしい」と話していた。
正午になると、お昼ご飯を食べ終わった察巴さんはテレビでドラマを見ていた。古栄村の仮設住宅では、11日にインターネット回線が開通し、インターネットを介してテレビのコンテンツを配信する「IPTV」を見ることができるようになった。地震発生後、速度1Gbpsのインターネット回線が開通し、Wi-Fiに接続してIPTVを見ることができるようになった仮設住宅はここが初めてだ。
古栄村の仮設住宅の前に物資を並べる作業員ら。撮影・翁奇羽
細かい点まで気配りされたサービスは、被災者の心に温もりを届けている。
仮設住宅が設置されている場所には、村民委員会や村民対象のサービスホール、衛生室(診療所)なども設置され、被災者が安心して生活を送ることができるよう取り組んでいる。
また、火や電気を使うことが多いため、消防職員が火災予防に関する注意喚起をする活動を仮設住宅で実施しているほか、消火器・消防用具をまとめて置く専用の場所も設置されている。
長所郷森嘎村で牧草を食べる家畜。撮影・郝潔
救援物資にはたくさんの牧草も含まれており、ヤクが山積みにされた牧草をお腹いっぱい食べることができるようになっている。
索朗さんは、冬のやわらかな光が射し込む窓の外を見ながら、「少しずつ片付け、少しずつ物を置いて、新しい家もちゃんと格好がついてきた」と喜ぶ。
どんよりとしていた被災者の心に光が差し込み、その生活も少しずつ日常を取り戻しつつある。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年1月13日
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