生成AI製品が中国で急速に普及

人民網日本語版 2025年02月06日15:20

(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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「友人への新年のあいさつ文を書いて」「春節をテーマにした詩を作って」「この数学の問題を解いて」……今年の春節(旧正月、今年は1月29日)期間中、優れた性能とユーザー体験により、中国の深度求索公司(DeepSeek)が発表した最新のオープンソースモデル「DeepSeek―R1」が爆発的な人気を博した。DeepSeekはたちまちアプリストアのダウンロード数ランキング上位に入った。人民日報が伝えた。

中国インターネット情報センター(CNNIC)が最近発表した「生成AI応用発展報告書(2024)」によると、2024年6月現在の中国の生成AI(人工知能)製品の利用者数は2億3000万人に達した。

同センターの劉郁林センター長は、「AIは現在、世界でイノベーションが最も活発な分野の一つとして、幅広い業界に持続的にエンパワーメントしている。生成AI製品も中国のネットユーザーの間で急速に普及しており、そしてユーザーの日常生活と仕事に大きな影響を与えている」と述べた。

中国の生成AI製品は現在多様化している。24年12月31日現在で計302の生成AIサービスがインターネット情報機関への登録を完了しており、うち24年には238の新規サービスが追加された。これらの豊富な製品はユーザーに多様な選択肢と差別化された体験を提供している。

報告書によると、中国は現在までに比較的包括的なAI産業システムを構築しており、関連する企業は4500社以上、コア産業の規模は6000億元(1元は約20.9円)近く、産業チェーンは半導体、アルゴリズム、データ、プラットフォーム、アプリケーションなどの川上・川下の重要部分をカバーしている。

劉氏は、「中国は近年AIの発展を戦略的な高みに引き上げ、一連の政策文書を相次いで発表し、AI産業の質の高い発展の需要を満たす政策体系の構築を加速させており、技術の進歩を推進し、企業の発展を促進し、産業の高度化をけん引している」と述べた。

各業界は現在積極的に、生成AIによるスマート化・高度化の波を積極的に受け入れている。

報告書によると、交通、エネルギー、製造、化学工業など複数の分野において、ハイテク企業と従来業界は積極的に協力し、大量の資源を投入し、各業界専用の生成AIモデルを共同開発し、この新興技術による実体経済の革新的な発展へのエンパワーメントを探求している。

ある国有大型化学工業企業の責任者は、「これまでの化学工業の新材料開発では、科学研究者は人工的な経験に基づき目標の選別、実験設計、分析・報告を行っていた。開発の全過程で、さまざまな文献や業務システムに分散している数多くの専門情報を検索しなければならず、開発の効率に深刻な影響を与えていた」と説明した。

同社はあるインターネット企業と協力し、化学工業におけるAIの応用を模索している。大規模言語モデルによるナレッジアシスタントは自然言語の質問に基づき、従来の人の代わりに分子の特性や分子合成のロードマップなどの専門知識を素早く検索して答える。特定の分子の検索効率が5倍以上高まり、開発の効率が大幅に向上した。

劉氏は、「国民経済の重要な柱としての工業は規模が大きく、範囲が広く、シーンが豊富で、AIの融合応用の重要な分野だ。生成AIの急成長と世代交代の加速は、すでに開発・設計や生産・製造などの分野で頭角を現し、新型工業化の重要な推進力になっている」と述べた。

報告書は、「長期的に見ると、生成AIモデルの応用は操作レベルの実施に留まらず、意思決定支援や戦略管理のレベルに広がるだろう。この変革は働き方を変えるだけでなく、企業の組織構造、経営モデルのイノベーション、製品・サービスの革新的な設計を推進し、最終的に業界全体の運営モデルを再構築する可能性がある」との見方を示している。

工業分野以外でも、かつては天候任せの農業分野では、生成AIはその侮れない力により農業の現代化と持続可能な開発を推進している。

中国農業大学は24年7月に「神農大規模モデル2.0」を発表した。農業知識Q&A、農業テキストの意味理解、農業生産の意思決定推論などの中核機能だけでなく、画像、音声、動画、文書などのマルチモーダルインタラクションやスマート化推論のサポートなどの面でも大きな進展を遂げた。

報告書によると、生成AIは「AIアシスタント」「スマートアシスタント」を主な製品形態とし、インスタントメッセージ、オフィスソフト、オンラインカスタマーサービス、創作ツールなどの従来的なインターネット製品と融合し、利用者にインテリジェントなコミュニケーション、オフィス、創作の体験をもたらす。また報告書によると、利用者の約3分の1が生成AI製品を自身のオフィスアシスタントにしている。マイクロソフトやキングソフトオフィスを始めとするオフィスソフト企業はすでに生成AIを製品に融合し、これを新たな業績の成長源にしている。

他にもスマート音声アシスタント、自動運転車、機械翻訳、スマート医療診断などのあらゆる大規模AIモデルが人々の生活に徐々に浸透し、利用者の生活の質と仕事の効率を大きく高めている。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年2月6日

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