廃車が「宝」に変身!自動車アフターマーケットを発展させる重慶市潼南区

人民網日本語版 2025年02月11日13:57

廃車部品を分類・解体し効率的に処理し、廃車の価値を十分に掘り起こす。使用済みバッテリーを段階的に回収し、廃棄バッテリーのリサイクルを実現する。プラットフォームの整備により、業界による統一的で標準化された市場の形成を推進する……。重慶市潼南区は近年、比較優位を発揮し、自動車リサイクル産業の育成に注力し、自動車アフターマーケットの急速な発展を推進している。人民日報が伝えた。

中古市場で一般的に3000元(1元は約20.8円)で売られている廃車は、重慶市潼南区の中古市場では一般的に4000元で販売できる。

この増加分の1000元は、現地の自動車リサイクル・解体企業によって生み出されたものだ。価値ある自動車部品のリサイクルにより、企業は廃車の価値を最大化する。

重慶弘喜自動車科技有限公司を筆頭に、潼南区は自動車リサイクル産業を積極的に構築し、自動車アフターマーケット市場を発展させている。現在すでに20社以上の自動車再生企業が集まっている。中国各地から毎年10万台以上の廃車がここで検査、解体、再生などのプロセスにより新たな命が吹き込まれている。

潼南区党委員会書記の文天平氏は、「潼南は成都市と重慶市の2大自動車市場の中間に位置し、両地域からの廃車回収と段階的な利用に適している。自動車産業の急速な発展に伴い、大量の廃車のリサイクルが求められている。潼南はチャンスを掴み、重慶市の新エネルギー自動車産業チェーンに積極的に参入し、自動車アフターマーケット産業の発展に重点を置いている」と述べた。

新エネルギー自動車の動力バッテリーが現在大量廃棄の時期を迎えている中、その有効な活用法が課題となっている。

潼南区に位置する重慶貝思遠新エネルギー有限公司は、動力バッテリーの段階的な利用事業に取り組んでいる。同社の生産工場に入ると、使用済み動力バッテリー段階的利用生産ラインでは、次の段階の製品の試験生産が急ピッチで進められていた。

同社の張宏旺会長は、「新エネ車のバッテリーは『引退』した後、まだ多くの容量が残っているのが一般的で、検査・再生すれば三輪車、農業機械、通信基地局、街路灯などで再利用でき、コストを削減できる。バッテリーの容量が20−30%未満になってからリサイクルする」と述べた。

張氏はある農業機械の前に立ち、次のように計算した。新しいバッテリーを使えば4000元以上かかるが、新エネルギー自動車の使用済み動力バッテリーを使えば2000元余りしかかからない。性能にも大きな違いはなく、高い競争力を持つ。

動力バッテリーの2回目の「引退」後、貝思遠公司は再度買い取り、解体・処理を行い、リチウム、ニッケル、コバルト、マンガンなどの貴金属を抽出し、資源のリサイクルを実現する。

貝思遠公司の生産工場の近くでは、新エネルギー動力バッテリー循環科学技術産業パークが急ピッチで建設されているところだ。張氏は、「潼南で新エネルギー三電(モーター・バッテリー・電子制御)メンテナンスネットワーク研修センター、新エネルギー完成車精密解体、部品再生、動力バッテリー再生利用など複数の事業を展開し、5G+全リンク型スマート工場を建設し、完全な自動車アフターマーケットエコシステムを構築する。生産開始後の年間生産高は50億元を見込んでいる」と述べた。

新たな分野に転換し、新たな成長の場を切り開く。潼南区は使用済み動力バッテリーの段階的な利用、廃車の解体、自動車部品の再生などの分野をめぐり、自動車アフターマーケット産業の集積・発展を推進している。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年2月11日

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