世界の話題をさらうハイテク企業が杭州で続々と生まれている理由は?
中国の「深度求索」が開発したオープンソースの大規模言語モデル「DeepSeek」が世界中で話題をさらっているほか、春晩(春節<旧正月、今年は1月29日>を祝う中国の国民的年越し番組)で宇樹科技が開発したロボットが秧歌(ヤンコ踊り)を披露し、大きな注目を集めるなど、AIを含む先端テクノロジーの分野が、中国国内外で大きな話題になり、さらに、「杭州六小竜」の知名度も急上昇している。
「杭州六小竜」とは、浙江省杭州市で誕生した深度求索、宇樹科技、遊戯科学、雲深処科技、強脳科技、群核科技の計6社を指す総称だ。各社ともテクノロジー・イノベーションの分野で、高い実力や影響力を誇る企業で、「ミステリアスな東洋の力」と呼ばれている。
では、なぜ杭州で「六小竜」が誕生したのだろうか?杭州のイノベーション能力はなぜこれほど高いのだろうか?
「鳴かぬなら鳴くまで待とう」
杭州市の主要担当者は取材に対して、「イノベーションというのは、コツコツとした積み重ねで創出するもので、決して焦ってはいけない。イノベーションを創出するためには、孤独を楽しみ、『鳴かぬなら鳴くまで待とう』という戦略的決意を抱き、歴史的観点に立った忍耐を培わなければならない」と語った。
2014年、杭州は全国に先立って「情報経済を発展させ、スマート応用を普及させる」という目標を掲げた。そして、2016年に、中国の第一陣の「デジタル経済」都市に名を連ね、2018年には、「中国で最初のデジタル経済都市構築」という目標を掲げた。近年は、未来産業に焦点を合わせ、前方視的な政策を打ち出し、資源の配置を進めている。
「求められれば必ず応じる」
企業から何かを求められた時に、政府が親身になってサポートし、バックアップし、不安を払拭することは、企業、特にスタートアップ企業にとっては、非常に大きな助けになる。
杭州は、一連の思いやりに満ちて、的確な政策を打ち出すことで、革新的発展のハイクオリティなエコロジカルを構築している。
杭州は最近、市の財政のテクノロジーへの資金投入を年間平均15%以上のペースで増やし、毎年、市本級の増額分の15%以上をテクノロジーに投じ、現有の産業政策の資金のうち15%を新たな質の生産力育成・発展のために集中的に投じるよう統一して計画するという、テクノロジーをめぐる「3つの15%」政策を打ち出した。
この「3つの15%」政策実施により、杭州のテクノロジーイノベーションに継続的に資金が提供されることになっている。
人材面をみてみると、杭州は、「衣食住・移動」関連の人材支援策を次々に打ち出している。近年は、35歳以下の学歴が大学学部以上の人材を毎年30万人以上杭州に誘致し、テクノロジー企業のために、巨大な「人材プール」を構築している。
イノベーションプラットフォームをみてみると、杭州はすでに国家実験室1ヶ所、国家ビッグサイエンス設備2機、全国重点実験室33ヶ所、省級実験室7ヶ所などを含む、ハイスペックのテクノロジーイノベーションプラットフォームの隊列を築き、中国で先頭を走っている。
中国は現在、未来への投資を、前例のないレベルで強化し、新たな質の生産力を生み出せるよう取り組んでいる。世界知的所有権機関(WIPO)の「グローバル・イノベーション・インデックス(GII)2024」で、中国は11位にランクインし、過去10年の間に最も急速に順位を上げたエコノミーの1つとなった。
杭州に続いて、イノベーションによって世界で話題をさらう中国の都市が今後もどんどん生まれるに違いない。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年2月19日
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