久保輝幸・横浜商科大准教授「中国本草学という至宝をより多くの人に知ってもらいたい」
「私はよく友人に『日本文化は中国文化の影響を深く受けており、中華の優れた伝統文化を学ぶことで、日本文化をより良く研究できる』と話している」。日本・横浜商科大学の久保輝幸准教授は、流暢な中国語で記者にこう語った。人民日報が伝えた。
久保氏は、茨城大学の修士課程に在籍していた際、中国の本草学に強い興味を抱いた。修士課程修了時に指導教員の勧めを受け、国際学生奨学金を申請して中国に留学し、2004年に中国科学院自然科学史研究所の博士課程に合格し、中国生物学史を学んだ。留学中、中国の教員や同級生達のサポートを受け、博士号を順調に取得。中国語の論文や書籍を数多く読むことで、中国の本草学への認識をさらに深めた。
「本草学は中華文明の至宝であり、薬材の起源、発展、応用の歴史を記録しているだけでなく、麻黄碱や青蒿素などの重要な医薬の研究において鍵を握る情報源を提供している」。久保氏は近年、中国の本草学に対する世界の理解が進むように、論文や書籍などさまざまな形で紹介活動を行っている。例えば、日本語で『本草学の分類学への貢献―十九世紀以前の日本の植物の調査と記載―』を発表して日本に中国医薬史を紹介し、英語で『History of the Chinese Medicinal Gelatin, Ejiao』を発表して西洋諸国に阿膠の薬用の歴史を紹介している。「私の努力を通じて、もっと多くの人々に中国の本草学という至宝を知ってもらいたい」と久保氏は話す。
久保氏は2018年に湖北省を訪れ、「李時珍生誕500周年記念ならびに李時珍中医薬大健康国際サミットフォーラム」に参加し、各国の研究者と青蒿や黄花蒿に関する李時珍の研究成果について意見交換し、『本草綱目』が日本の本草学に与えた影響についての研究をシェアした。同年に開催された「江浙滬第16回若手学者サロン」では、中国の若手学者の学術レベルに深い印象を受けたとし、「彼らは交流の中で、多くの建設的な意見を出してくれた」と振り返った。久保氏は、中国の打ち出したグローバル文明イニシアティブは、中日の人的・文化的交流にさらに強い弾みをつけ、若手学者が両国の人的・文化的交流においてより大きな役割を果たすことを可能にしたと語る。
久保氏は「グローバル文明イニシアティブは、国際的な人的・文化的交流と協力を強化し、グローバルな文明対話・協力ネットワークを構築することを検討し、交流の内容を豊かにし、協力のチャネルを拡大し、各国の人々の間の相互理解と親交を促進し、人類文明の発展と進歩を共に後押しすることを提唱している」との見方を示し、「文明間の対話を深めることで、日中両国は文化的内包をさらに豊かにし、国民間の相互理解を増進し、より多くの革新の活力を引き出すことができる」と語った。(編集NA)
「人民網日本語版」2025年3月4日
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