人民網三評「米国の関税濫用」(一)世界が求めるのは公正であり、横暴ではない

人民網日本語版 2025年04月29日17:06

米国政府は先ごろ、「相互主義」を名目に、世界180以上の国・地域に追加関税を課した。その背後にあるのは「弱肉強食」の一方的覇権の論理だ。歴史の潮流に逆行する米政府の独断専行は、他国にも自国にも損害を与えるものである。

米政府の横暴な行為は、自国のみの利益を追求する一方で、世界各国、特に最も脆弱な国々の発展の権利を剥奪するものである。経済構造が単一的な小国に対して、その負担能力を遥かに上回る税率を課す行為は、実質的に覇権によって多国間貿易秩序を覆し、世界の利益を収奪するものである。米政府は「公正貿易」の大旗を振りながら、世界貿易機関(WTO)の定める無差別原則をほしいままに踏みにじり、発展途上国への支援を削減する一方で、関税を濫用している。これが「相互主義」であるはずはなく、「強権こそ真理」という覇権の論理であるのは明らかだ。

米政府の横暴な行為は、他国民に損害を与えるだけでなく、自国民にも大きな問題をもたらす。関税引き上げは輸入品価格を押し上げ、消費者はさらに高い物価に耐えなければならず、インフレの加速によって米国の一般世帯の生活コストは著しく上昇する。関税引き上げにより約200万人の米国人が失業し、各世帯は少なくとも5000ドル(1ドルは約143.5円)の収入減に直面する恐れがある。また、経済のスタグフレーション(景気停滞と物価上昇)リスクが高まり、ドルの信用が打撃を被り、ドル資産の大規模な投げ売りが発生する。国際市場の不確実性が増し、米国企業の海外市場開拓・拡大にとってマイナスとなり、米国の輸出に影響が生じる。米国内では反対の声が高まっており、4月23日には12州が連携して連邦政府を提訴し、関税政策の違法性を訴えた。

歴史がとうに証明しているように、貿易戦争や関税戦争は共倒れを招くだけだ。米国の政治屋でさえ、関税濫用の結果は「米国第一」ではなく「米国孤立」になると明言している。米イェール大学予算研究所の試算によれば、2025年に全ての関税措置が実施された場合、同年の米国の実質GDP成長率は1.1ポイント低下し、中長期的なGDP成長率は0.6ポイント低下する。

世界が求めるのは公正であり、横暴ではない。グローバル化が進む現在、各国の経済は相互依存しており、どの国の経済変動も他国に連鎖反応を引き起こす恐れがある。先ごろ開催された世界貿易機関(WTO)物品貿易理事会の年次会合では、中国が米政府の「関税濫用」措置に示した重大な懸念に対して、46ヶ国が強い共感を示した。我々は、公正と正義を重んじる圧倒的多数の国々が自国の利益にかなう正しい選択を行うことを信じている。(編集NA)

「人民網日本語版」2025年4月29日

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