大学の授業にAIアシスタントが登場

人民網日本語版 2025年05月21日09:12

授業中に学生が質問に答えると、人工知能(AI)がすぐに採点し、苦手なポイントを教えてくれる。授業が終わると、AIアシスタントがいつでも質問や疑問に答えてくれる。宿題をする時、学生はVR(仮想現実)ゴーグルを装着して電力エンジニアに変身し、バーチャル空間の中で電力点検作業を遂行……。最近、武漢大学電気・自動化学院ではAIアシスタントを導入した基礎カリキュラムが大人気だ。人民日報が伝えた。

5月8日午後、授業が始まると、学生たちはパソコンを開き、同大が独自開発した「珞珈オンラインAIスマート教育センター」をクリックし、電気工学基礎カリキュラムのページに入る。画面には「知識グラフ」、「問題グラフ」、「能力グラフ」、「目標グラフ」など複数のアイコンが並ぶ。画面右下にいる教員のイメージキャラクターは、関連分野の専門知識に基づいて大規模言語モデルが生成したAIアシスタントだ。

「新エネルギーによる電力の割合がますます高くなった場合、電力網の安定を維持するにはどうすればよいか」。授業を担当する唐飛准教授がこのような質問を出した。

この現実の中で早急な解決が待たれる専門的な質問にしっかり答えるには、現在よく使われているAI検索ソフトではもはや需要を満たせなくなった。どうすればいいか。そこでAIアシスタントが登場し、資料探しを手伝うようになった。

AIアシスタントは武漢大学の関連分野の専門知識をまとめた大規模言語モデルによって構築されたリアルタイムインタラクティブツールで、電気工学基礎カリキュラムを例にすると、3つの大規模言語モデルに基づいてデータを提供し、学生が比較、思考、判断できるようにしている。

学生が質問に答えるとすぐ、得点と不足点が教室の電子ホワイトボードに表示され、教員はそれぞれの学生の学習状況とどこが足りないかを正確に把握することができる。

学生にとって、AIの導入は学習効果を高めることになった。学生の周天闊さんは、「複雑な問題も関連する小さな問題からできており、AIアシスタントを使えば、事前に『知識グラフ』システムを検索して基礎知識を理解し、それから『問題グラフ』を使って問題を解くことができる。わからないところがあればいつでもAIアシスタントに質問できる」と話した。

AIアシスタントは理論と知識の学習のほか、実技レベルの向上にもよりよいソリューションを提供している。教員がマウスをクリックすると、非常にリアルな変電所の高所作業現場の情景が電子ホワイトボードに映し出され、学生はVRゴーグルを装着し、3Dゲームをするようにそれぞれの学習課題を遂行する。これはAI技術と融合して構築されたバーチャル・リアル体験空間であり、学生の実技レベルの向上を支援することができる。

AI技術を「珞珈スマートグラフシステム」に組み込んだことで、学生の学習データを分析し、学科の優秀なイノベーション人材を育成するという目標・進捗度に合わせ、教員が学生の状況を把握するのをサポートし、デジタルインテリジェンス時代の高等教育における「オーダーメイド教育」や「個別指導」の促進に寄与している。

2022年、教育部(省)は国家教育デジタル化戦略行動をスタートした。それから3年間、同部はAIによる高等教育支援のイノベーション試行事業を展開し、「AI+高等教育」応用シーンの50のモデルケースを2回にわたって発表した。その中には武漢大学の「イノベーションAI+専門グラフ」教育モデルの試行事業も含まれていた。

現在、中国の各大学では、教育用大規模言語モデルの応用深化を通じて、教員、学生、スマート技術が有機的に連携・協働する未来の教室がすでに現実のものとなっている。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年5月21日

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