デジタル技術導入で雲南コーヒーの栽培が「スマート」に

人民網日本語版 2025年05月29日15:44

雲南省保山市潞江壩にあるスマートコーヒー農園を今月28日に取材したところ、コーヒーの木々の間に設置されている白いモニタリング設備が、土壌の湿度や気温といったデータを収集していた。コーヒー農家はスマホのアプリを通して、農園の状況をリアルタイムでチェックすることができる。このように、「お天道様頼り」だったコーヒー栽培を、テクノロジーがバックアップするようになっている。

中国最大のコーヒーの産地である雲南省における栽培面積と生産量は中国全体の98%以上を占めている。雲南省の主なコーヒーの産地の一つである保山市潞江鎮は、高品質のアラビカ種のコーヒーを生産していることで有名だ。しかし、山地が多く、栽培の環境は複雑で、粗放的な管理しかできないというのが、長年、コーヒー農家の悩みの種となってきた。

こうした現状を変えるべく、同農園は、中国移動(チャイナモバイル)雲南公司(以下、「雲南移動」)が、浙江理工大学、保山学院といった大学と共同で研究開発した「雲智農鏈」プラットフォームを導入し、コーヒー栽培のデジタル化へのモデル転換にチャレンジするようになった。

スマートコーヒー農園の責任者・楊江春さんは取材に対して、「コーヒーは、成長段階によって、必要な栄養が異なる。このシステムは、コーヒー生長モデルや5分おきに更新されるリアルタイムのデータに基づいて、散布する水や肥料のプランを制定し、コーヒーの品質を一定に保つことを可能にしているのと同時に、人件費の大幅な削減を可能にしている」という。

病虫害防除の面を見ても、このプラットフォームは高い性能を誇る。コーヒーノキ葉さび病は、コーヒーの生産に甚大な被害を与える病気で、従来の方法ではうまく防除するのが難しかった。一方、スマートシステムの場合、コーヒーの木に葉さび病が発生するリスクを検知すると、自動でドローンを飛ばし、AI画像認識技術を通して、病害の有無を分析し、事前にそれを予防することができる。

デジタル化へのモデル転換は、実益をもたらしている。楊さんによると、スマートシステム導入後、農園のコーヒーの1ムー(約6.7アール)当たりの生産量が約20%増え、スペシャルティコーヒーの割合は70%未満から85%以上に高まったという。さらに、的確な管理により、コーヒーの生長周期が4-5年か3年前後に短縮し、1ムー当たりの管理コストが約1000元(1元は約20.3円)低減したという。(編集KN)

「人民網日本語版」2025年5月29日

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