専門家80人以上が、遺産保護のため、15年間を費やしてきた。1万点以上の歴史資料、4000枚の復元設計図、2000点のデジタル建築模型、6つの時代における120組の時空ユニットを用いて、円明園という「万園の園」が310年の時を越えて、再び人々の前に姿を現した。人民日報が伝えた。
清華大学建築学院の郭黛姮教授が率いるチームは記者会見で、デジタル円明園の研究及び応用プロジェクトの成果を紹介した。建築家・梁思成の学生である郭氏とそのチームは、厳密で正確なデジタル化建造を利用し、15年の月日をかけて円明園の本来の姿を復元した。復元エリアは全体の60%に達する。
円明園のデジタル化復元で、1ヶ所を復元するには10以上の手順を踏まえる必要がある。まず、遺跡の情報を正確に収集し、記録する。その後、文献・資料を精読し、建造技術を分析し、さらに残された部分をCGで組み合わせるといった手順となる。その際、新たな発見もある。例えばチームは西洋楼エリアを研究中に、円明園倉庫の残存する瑠璃製の飾りから、西洋楼エリアの「中国・西洋融合」という新たな特徴を発見した。
円明園デジタル化復元の研究により、郭氏のチームは円明園の研究を平面から立体へと展開した。チームは各エリアの各スケールの関係、園林空間の連続性、エリア間の対照と呼応の関係を明らかにし、円明園を静止二次元図から三次元時空に拡大した。郭氏はこのような復元を、円明園の一種の再生であるとし、「遺産保護と遺産復元の食い違いを解消し、人々の需要と知識欲を満たすことができる」と話した。
チームは「仮想現実」の円明園モバイルガイドシステム(Android版とiOS版)、円明園バーチャル遊覧システムを開発した。また大量のデータが含まれる、測位・ナビ・音声解説などを一体化した円明園モバイルガイド製品、高画質没入型体験製品を開発した。チームが開発した「拡張現実」iPadガイドは、遺跡の現状と復元図を同じ画面で重ね、比較対照し、さらに360度の景色を眺めることができる。この技術は、技術発明特許を取得している。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年4月19日
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