中国の技術が世界の自動車メーカーの「必須項目」に

人民網日本語版 2025年07月02日10:59

資料写真(画像著作権はCFP視覚中国所有のため転載禁止)

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世界の自動車技術の主導権は、「西から東へ」と急速にシフトしつつある。

6月12日、電気自動車メーカーの小鵬汽車はNVIDIAを上回る性能の自動運転チップを独自開発し、フォルクスワーゲン(VW)グループなどが最初の顧客になる見通しだと発表した。

6月20日、アウディは新型「A5L」の予約受付を開始し、そのポスターには「華為(ファーウェイ)乾崑スマート運転システム」が主要なセールスポイントとして掲げられている。

「老舗自動車メーカー+中国の技術」という新たな組み合わせが、グローバル自動車産業の新常態(ニューノーマル)になりつつある。

今年に入ってから、BMW、ベンツ、ステランティスなどの多国籍自動車メーカーが、阿里巴巴(アリババ)、華為、蔚来汽車(NIO)、小米(シャオミ)などの中国企業との連携を加速させ、中国の技術を深く利用することで、自社のスマート化と電動化を推し進めている。

この流れは、10数年前に中国の自動車工業が海外の技術に依存していた状況とは対照的だ。今や世界の自動車メーカーは中国の技術をより深く、より広く求めるようになっており、「中国発のソリューション」を自社の未来ビジョンに組み込んでいる。

では、自動車技術発展の「ハンドル」は、なぜ中国の企業の手に渡ったのか。

中国人民大学重陽金融研究院の劉英研究員は、「新エネルギーの分野では、一部の老舗メーカーのイノベーションは限定的で、進展も遅いのに対し、中国企業は逆に『カーブでの追い越し』を実現した」との見方を示す。

劉研究員によると、中国の超大規模な市場が自動車メーカーに広大な発展空間、技術イノベーション、実証テストの場を提供している一方で、中国の強力な工業製造能力が自動車メーカーの発展の基礎を突き固めたという。

これに比べ、老舗自動車メーカーが内燃機関時代に築いた技術的優位性、たとえばエンジンやトランスミッションなどは、スマート化と電動化が進む流れの中で急速に「価値を下げていった」という。

それと同時に、中国の自動車メーカーは10数年にわたる継続的な投資により、スマート運転、デジタルコックピット、動力電池などの分野で、新たな「技術の堀」を築いてきた。

動力電池分野では、寧徳時代(CATL)、比亜迪(BYD)は電池のエネルギー密度や航続距離などの優位性を発揮し、世界市場の半分を占め、トヨタやテスラなどのメーカーのサプライヤーになった。自動運転分野では、ファーウェイや小鵬などが打ち出したソリューションがベンツ、BMW、アウディ、VWなどのブランドに徐々に採用されるようになった。デジタルコックピットでは、中国現地で生まれたイノベーションがしばしば世界の産業の参考事例となっている。

中国の自動車技術が世界のイノベーションネットワークを再構築しつつあると言えよう。BMWやVWなどの多国籍メーカーはこの流れに対応し、中国で自国以外では最大規模の開発センターを設立し、中国市場にサービスを提供し、世界のシステムにフィードバックを行ってきた。

アウディのエンジニアが中国にやって来て中国の経験に学ぶといったことから、小鵬の技術をVWにフィードバックするということまで、中国は自動車の「技術輸入国」から「技術輸出国」への歩みを加速させている。

より重要なことは、中国が世界最大の自動車消費市場から、技術イノベーションの発信地、サプライチェーンの中核、産業標準の策定者へと徐々に成長していることだ。

あるドイツ企業の最高経営責任者(CEO)が取材に対し、「東洋の技術を西洋で活用することが世界的なトレンドとなっており、中国技術の急行列車にいち早く乗る者が、未来に真っ先に到達する可能性がある」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2025年7月2日

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