春節連休中はドライブ旅行が新たなトレンドに
中国文化・観光部(省)のオフィシャルサイトによると、春節(旧正月、今年は1月29日)に合わせて8連休となった1月28日から2月4日の期間、国内旅行者数が前年同期比5.9%増の5億100万人に達した。国内総旅行消費額は、前年同期比7.0%増の6770億200万元(1元は20.9円)に達した。また旅行に出かけて、中国の大自然を楽しむ場合や、帰省して一家団欒を楽しむ場合でも、自動車で移動する人が増加の一途をたどっている。中国青年報が報じた。
自動車で移動が春節の第一の選択肢に
40日間にわたる「春運(春節期間の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)」は2月22日に終了する。中国交通運輸当局のデータによると、今年の「春運」期間中、自動車が引き続きメインの移動手段となり、延べ72億人が自動車で移動すると予測されている。これは地域跨ぎで移動する人の約8割を占める数字となる。自動車で移動には、安全、快適、融通が利くといったメリットがあり、多くの人にとって、春節期間中の移動手段の第一の選択肢となっている。
北京の専業主婦・楊婉さんは今年、2人の子供と親と共に、自動車で海南省に行き、春節を過ごしたと言い、「子供が冬休みに入るとすぐに海南省に向かった。途中で、河南省や湖南省、広西壮(チワン)族自治区の一部の都市にも寄って観光し、最終的に海南省に着いた。自動車の場合、時間的な自由度が高く、家族にとっても快適だった。最初から最後までとてもスムーズで、家族みんな楽しく過ごせた」と話す。
春節は一家団欒の時を楽しむ祝日でもあり、中国の人々の所得が増えているほか、中国の交通インフラも整備され続けていることもあり、帰省して年を越し、2-3日かけて親戚や友人に会った後、家族と一緒に旅行に出かけるという人も増えている。このように旅行が現在、春節の「恒例行事」となり、家族でドライブ旅行が最も人気のスタイルとなっている。
旅行情報サイトの馬蜂窩のビッグデータによると、2025年、中国各地で「春節にドライブ旅行」の人気度が平均100%以上高まった。南方エリアのドライブ旅行ルートの人気度は、北方エリアを上回っており、ご当地グルメが充実していて、春節ムードも濃い福建省沿海地域のドライブ旅行や広東省潮汕地区のドライブ旅行などの検索回数がいずれも150%以上増加している。また、「レジャーと休暇」をテーマにした雲南省のドライブ旅行や海南省の「自動車で島めぐり」なども人気を集めている。
「自動車オンリー」だけでなく、「高速列車or飛行機+自動車」というスタイルも今年の春節期間中、重要な役割を担った。オンライン旅行会社・携程集団傘下のレンタカーサービス「携程租車」のデータによると、今年の春節期間中、国内旅行者の55%が「レンタカーで旅行」を選択した。レンタカー旅行が最も人気となった旅行先トップ5は成都、海口、昆明、三亜、広州だった。
親子・家族や若者グループでドライブ旅行が人気
ドライブ旅行にはどんな特徴があるのだろうか?ある業界関係者は、「ドライブ旅行が人気となるのは主に、春節や夏休み、国慶節(建国記念日、10月1日)に合わせた連休中などだ。週末に自動車で近場を旅行するというのは、すでに珍しいことではなくなっている。また、ドライブ旅行のニーズやスタイルはさらに多様化し、その市場の細分化も進んでいる。ドライブ旅行をして、文化をじっくり体験するというのが新たなトレンドなっているほか、親子や家族、若者のグループでドライブ旅行などのニーズも目に見えて高まっている」と分析している。
中国社会科学院・観光研究センターの特約研究員・呉若山氏は、「旅行の移動半径が拡大するにつれて、ドライブ旅行者の旅行先に留まる時間も長くなっており、宿泊施設や飲食、レジャーなどの消費が目に見えて増えている」と分析している。
そして、「旅行する距離を見ると、中距離・長距離のドライブ旅行が依然として主流で、旅行先のチョイスは多様化している。旅行商品を見ると、主に文化体験のニーズが高まっている。年齢層を見ると、80後(1980年代生まれ)や90後(90年代生まれ)がメイン。さらに、親子・家族でドライブ旅行がシェアの約半分を占めている」という。
中国旅行車船協会(CTACA)が発表した「中国の自動車、レクリエーショナル・ビークル、キャンピングカーでの旅行発展報告(2023-24)」によると、若者のドライブ旅行業界に対する影響力が日に日に高まっており、18-35歳のユーザーが占める割合が50%以上に達している。(編集KN)
「人民網日本語版」2025年2月14日
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