最新研究で「中国がアズキの起源地の一つ」と確認  日本が起源中心地説を覆す

人民網日本語版 2025年10月15日13:39

中国の研究者が率いる国際チームはこのほど、米国科学アカデミー紀要(PNAS)に最新の研究成果を発表した。チームは植物考古学的手法と炭素14年代測定法を用い、山東省淄博市の後李文化小高遺跡から約9000年前の炭化アズキを発見した。この成果は、新石器時代早期の低水準な食物生産段階において、黄河流域ですでに「穀物+豆類」の複合作物体系が形成されていたことを示し、アズキの「単一起源」説を覆すものだ。新華社が伝えた。

今回発見された古代炭化アズキと現代のアズキの比較(2025年8月13日撮影)。画像提供:山東大学考古学院

今回発見された古代炭化アズキと現代のアズキの比較(2025年8月13日撮影)。画像提供:山東大学考古学院

考古学チームは、小高遺跡で発掘された600平方メートルの文化層から891点の浮選サンプルを体系的に採取し、約3万2000粒の炭化植物遺存体の中から、アワ、キビ、イネ、ダイズなどの農作物とともに、45粒の炭化アズキを発見した。炭素14年代測定法による直接放射性炭素年代測定の結果、うち2粒は約9000年前のものと確認された。

論文の筆頭著者で、山東大学考古学院の陳雪香教授は、「今回発見された炭化アズキは、これまで中国で見つかっていたものより4000年も古い。これらのアズキがキビ、アワ、ダイズとともに出土したことは、9000年前の黄河下流地域で東アジア最初の『穀物+豆類』複合作物体系が形成されていたことを裏付けている」と語った。

研究によると、アズキの東アジアにおける栽培化は長期的かつ多中心的な複雑な過程であり、新石器時代の黄河流域、日本列島、朝鮮半島で並行して発展したもので、単一起源ではないことが分かった。

また、チームが東アジアの140カ所以上の考古遺跡で出土したアズキ遺存体を分析した結果、日本と韓国では黄河流域よりも早い時期にアズキの粒が大型化していた。これは、狩猟採集民がデンプン量の高い大粒のアズキを選抜育種していた傾向があるのに対し、農耕民はタンパク質含有量の高いアズキを選抜育種する傾向があったことと関係している可能性があるという。

論文の共同通信著者で、山東大学の趙志軍教授は、「今回の発見は、中国が9000年前にすでにアズキを食用としていただけでなく、栽培も始めていたことを裏付けている。これは『日本がアズキの起源中心地である』という日本学界の見方を覆し、中国もアズキの起源地の一つであることを物語っている」と述べた。

この国際研究チームは、山東大学、セントルイス・ワシントン大学、山東省文物考古研究院、安徽大学、オレゴン大学、岡山理科大学、中国社会科学院考古研究所の研究者で構成されている。(編集YF)

「人民網日本語版」2025年10月15日

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